[特集 国際ロボット展vol.3] ロボット事業を4倍規模に/川崎重工業 高木登 執行役員ロボットディビジョン長
「ベースは産業用ロボットで培った技術。それを応用して対象となる事業領域を広げる」と川崎重工業のロボットディビジョン長の高木登執行役員は言う。キーワードは「安全安心リモート社会」「近未来モビリティー」の2つだ。2022国際ロボット展(iREX)では自動化の遅れる物流市場にも焦点を当て実用的なソリューションを提案する。
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「ベースは産業用ロボットで培った技術。それを応用して対象となる事業領域を広げる」と川崎重工業のロボットディビジョン長の高木登執行役員は言う。キーワードは「安全安心リモート社会」「近未来モビリティー」の2つだ。2022国際ロボット展(iREX)では自動化の遅れる物流市場にも焦点を当て実用的なソリューションを提案する。
2022国際ロボット展(iREX2022)は3月9日~12日の4日間、東京都江東区の東京ビッグサイトで開かれる。615社・団体が出展し、過去最大規模の3227小間で開催される予定だ。今回展は「ロボットがつなぐ人に優しい社会」をテーマに、ロボット関連の企業や団体が最新製品や技術を披露する。
vol.7 自動化ラインで未来を/セイコーエプソン 内藤恵二郎 執行役員MS事業部長
vol.8 狙うは本丸・物流業界/ヤマハ発動機、アイエイアイ、ユニバーサルロボット
vol.9 具体的なイメージで呼び込む/ダイドー、山善
vol.10 扱いやすさは周りが決める/オンロボット、アジリル
ロボットなど自動化関連の産業に追い風が吹いている。かねてからの人手不足で「自動化できる作業は自動化すべき」との認識が広がりつつある。人工知能(AI)などの技術の進化も、自動化機器の普及を後押しする。このタイミングで、3月9日からは世界最大級のロボット展示会「2022国際ロボット展(iREX2022)」が開かれる。顧客の需要やニーズと、それに応える技術、その二つをマッチングする場。国内産業の自動化レベルの飛躍的な向上に向け、必要な全ての要素がいまそろった。
6軸力覚センサー「ZYXer(ジクサー)」を販売する新東工業は3月9日、オフラインティーチング用のソフトウエア「ZYXerPath(ジクサーパス)」を発売する。一般的なティーチングソフトでは3次元データ上の作業対象物と現物の作業対象物との形状差や、設置時の位置ずれなどには対応できないが、独自開発の力覚センサーとジクサーパスを使うことで現物の輪郭に沿った制御が可能になり、対象物の個体差や設置時の微妙なずれなどに対応できる。
産業機械メーカーのスギノマシン(富山県魚津市、杉野良暁社長)は、グループの商品や技術を生かしたトータルソリューション提案を強化する。その一環で、産業用ロボットやモノのインターネット(IoT)、人工知能(AI)技術などの開発を担う「RI事業部」を立ち上げた。既存の事業本部の商品の競争力強化に貢献しながら、単体でも4年後には単年黒字化を目指す。
ロボットシステムを企画、開発する日本省力機械(群馬県伊勢崎市、田中章夫社長)は2月14日、産業用ロボットによる加工経路を自動生成する「自動ティーチング」の技術で国内特許を取得したと発表した。部品のバリ取りや研磨、溶接、シーリングなど多様な加工に利用できる。非接触センシング技術で加工対象物の断面形状のデータを取得。独自のアルゴリズム(問題解決手順)で加工位置を数十秒から数分程度で把握し、加工経路を自動生成する。
米国、中国、欧州では国際特許を出願中だ。
日本パープル(東京都港区、林壮之介社長)は2月9日、機密情報抹消サービスの抹消工程を自動化したと発表した。同社の機密情報抹消サービスでは、契約先に専用の回収ボックス「保護(まもる)くん」を設置。契約先は処分したい機密書類を回収ボックスに入れ、書類がたまると同社が回収して専用工場で破砕処理する。この専用工場での作業を自動化した。
手術支援ロボットを開発するベンチャー企業のリバーフィールド(東京都新宿区、只野耕太郎社長)は2月9日、開発中の「眼科手術支援ロボット」の国内独占販売契約を医療機器や医薬品メーカーのニプロと締結したと発表した。今回の対象製品は、眼球内を直接観察できる眼内内視鏡や眼内照明ライトガイドを把持するロボットシステムだ。このロボットを使用することで、術者は両手を手術鉗子の保持に使え、長時間の手術でも内視鏡画像やライト照射点が揺れることなく安全に手術できる。
川崎重工業と藤田医科大学(愛知県豊明市、湯澤由紀夫学長)は2月16日、藤田医科大学病院でのアーム付きサービスロボットの実証実験を実施したと発表した。実施期間は2月4日~15日で、屋内位置情報サービスを活用し、検体搬送や入院患者の見守りができるかを検証。ロボットアームでエレベーターを操作してのフロア間移動や、カメラ機能を活用した患者の状態確認などが問題なくできることを確認した。