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2022.06.02

インタビュー

日本市場での発展を目指すAI搭載の3Dビジョン企業/Mech-Mind 楊培社長(1/3)

中国のビジョンシステムメーカー、Mech-Mind(メックマインド)ロボティクスは昨年10月、日本法人のMech-Mind(東京都港区)を設立した。今年3月に出展した2022国際ロボット展(iREX2022)では、人工知能(AI)技術を使った画像認識精度の高さや、システムを一貫提供できる体制とシステムの扱いやすさなどで注目を集めた。本社はこの2年で約14億元(270億円)の資金を調達するなど、中国で勢いのあるベンチャー企業の1つ。楊培(ヨウ・バイ)社長は「日本市場での発展を目指す」と規模拡大を狙う。

日本も中国も、まだまだ伸びる

「ロボットも3Dビジョンもまだまだ伸びる」と楊培社長

――楊社長は中国本社では営業本部長を兼任しているそうですね。中国国内の産業用ロボットやビジョンシステムの市況はいかがでしょうか。
 中国では産業用ロボット市場も、それに伴うビジョンシステムの市場も大きく伸びています。国際ロボット連盟(IFR)の統計では、2020年に中国に導入された産業用ロボットは約17万台。また、別な統計ではそのうち3%に3Dビジョンシステムが付属しています。25年にはロボットの台数は45万台以上、そのうち6%に3Dビジョンが付くとの予測もあります。

――ロボットは2倍以上、ビジョンも2倍近い。
 その中国で、わが社はトップシェアを誇ります。シェアは20年が23.5%、21年は34.3%と毎年大幅に伸びている状況です。今年に入り、中国はもちろんですが海外からの引き合いも増えています。海外では、今年3月と4月にそれぞれ単月で、昨年1年間と同水準の受注を得た地域もあります。

2022国際ロボット展(iREX2022)には、大きな規模で出展

――270億円の資金調達に成功したのも納得です。勢いのある中、ドイツと米国に次いで、昨年10月に日本法人を立ち上げました。
 背景は3つあります。1つは、日本が世界で有数のロボット大国であること。大手ロボットメーカーが多く、ユーザーの要求する技術水準も高い。わが社にも高い技術力が求められますが、中国市場で培ったノウハウを生かせるでしょう。

――2つ目は。
 中国からのサービス支援をしやすい環境です。ロボット大国が、時差のほぼ無い地域にあるのは幸運です。私は日系メーカーの中国法人での勤務経験が長く、日本での信頼性の重要さを身をもって体験しています。アフターサービスを中心に、中国からも迅速に対応できる体制が強みと思います。

――なるほど。
 3つ目は、競合企業が多い点です。競合がいるからこそ、すでに日本では3Dビジョンの認知や理解が進んでいます。そして、3Dビジョン市場は日本国内も伸びるでしょう。国内の代理店の実感では、産業用ロボットの国内出荷の総数に対して、2Dと3Dを合わせても10%程度しかビジョンシステムが付いていない。潜在的なニーズは、まだまだあると思います。

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