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2021.12.22

樹脂製減速機をロボ部品にテスト販売/スターライト工業

スターライト工業(大阪市旭区、西郷隆晄社長)は今年10月、歯車や機構部品に樹脂を採用した遊星歯車減速機「S-Bear(エスベア)DD」を、研究開発のパートナー向けに試験的に発売した。金属製の既存製品に比べ、軽量でさびず、潤滑油やシール(密封部品)が不要なのが特徴。今後、試験販売を通じてパートナーとともに完成度を高め、一般販売を目指す。最終的には産業用ロボットの要素部品として採用を狙う。市販の減速機と同サイズに設計したため、パートナーは単純に置き換えるだけで性能評価に取り組める。

研究開発のパートナー向けに

減速比50分の1と100分の1の2機種をラインアップする

 スターライト工業は今年10月、樹脂製の特殊差動遊星歯車減速機「エスベア DD」のテスト販売を開始した。歯車などの機構部品に、同社が独自開発した樹脂を採用したことで、金属製歯車に比べ軽量で、さびる心配がない。樹脂に自己潤滑性があるため、潤滑油が不要。金属製歯車に比べて騒音も小さい。産業用ロボットの関節の要素部品として採用を狙う。
 トライボロジーカンパニー開発営業2部の佐藤英一部長は「実搭載評価に一緒に取り組んでくれるパートナー向けに、試験的に発売した」と話す。

 エスベアDDに使用する機構部品には、独自のPEEK(ピーク、ポリエーテルエーテルケトン樹脂)素材を用いた。この樹脂は高温時も耐久性が高く、歯車のような回転や摩擦で発熱する部品にも対応する。同社工場で金型や射出成形機を駆使して製造する。
 また、減速機構は特殊差動遊星歯車方式を採用した。外径がコンパクトかつへん平で、大きな減速比で高いトルクを得られるのが特徴。価格は従来の金属製の減速機の半額以下に抑えられる見通しだ。

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