樹脂製減速機をロボ部品にテスト販売/スターライト工業
研究開発のパートナー向けに
スターライト工業は今年10月、樹脂製の特殊差動遊星歯車減速機「エスベア DD」のテスト販売を開始した。歯車などの機構部品に、同社が独自開発した樹脂を採用したことで、金属製歯車に比べ軽量で、さびる心配がない。樹脂に自己潤滑性があるため、潤滑油が不要。金属製歯車に比べて騒音も小さい。産業用ロボットの関節の要素部品として採用を狙う。
トライボロジーカンパニー開発営業2部の佐藤英一部長は「実搭載評価に一緒に取り組んでくれるパートナー向けに、試験的に発売した」と話す。
エスベアDDに使用する機構部品には、独自のPEEK(ピーク、ポリエーテルエーテルケトン樹脂)素材を用いた。この樹脂は高温時も耐久性が高く、歯車のような回転や摩擦で発熱する部品にも対応する。同社工場で金型や射出成形機を駆使して製造する。
また、減速機構は特殊差動遊星歯車方式を採用した。外径がコンパクトかつへん平で、大きな減速比で高いトルクを得られるのが特徴。価格は従来の金属製の減速機の半額以下に抑えられる見通しだ。