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2019.05.21

イベント

「高度な技術を使いやすく」、新製品を多数発表/ファナック

用途ごとに新製品を発表

協働ロボット「CRシリーズ」に可搬質量14kgのタイプを追加

 ロボット単体では、協働ロボット、溶接ロボット、パラレルリンクロボットでそれぞれ新製品を披露した。
 協働ロボットのCRシリーズには最大可搬質量14kgの「CR-14iA/L」を追加。無人搬送車(AGV)に乗せて工程間の部品搬送を実演した。ロボットに搭載したビジョンセンサーで、部品を入れた箱を置く作業台と、AGVとの位置のずれを補正しながら作業する。

ケーブルが外に露出しないため、対象物をくぐるような溶接もしやすい

 溶接用ロボットのラインアップも充実させた。アーク溶接用ロボットでは8kg可搬の「ARC Mate 100iD/8L」を今年の4月、12kg可搬の「ARC Mate 120iD/12L」を今年の6月に発売する。会場では被加工材の搬送から溶接までに一連の工程をシステムで展示した。
 スポット溶接用ではケーブルをアーム内部に収めた中空アームタイプのロボット「R-2000iD/210FH」を発売。会場ではフレーム状の対象物をくぐるようにして加工するなど、中空タイプならではの使い方をアピールした。

食品に適したパラレルリンクロボット

写真がブレるほどの高速動作を披露した

 パラレルリンクロボット「ゲンコツロボット」では中大型の「M-2iA」、「M-3iA」の後継機種として「DR-3iB/8L」を展示。袋に入った冷凍そばの箱詰めを実演した。
 「塗料は食品産業で敬遠されるため、従来の塗装とは異なる表面処理を採用した。その他、排水性の高い形状を採用するなど、食品産業に適した仕様が特徴」と担当説明員は話す。

見上げるほどの巨大なロボットを会場内に設置した

 3次元ビジョンセンサーの新製品も紹介。また、工作機械の参考展示では、ロボットと工作機械の双方を手掛ける強みを生かし、ロボットシステムなどに使うビジョンセンサーを工作機械の機内に設置する提案もあった。「被加工材の位置の認識や、間違った被加工材がセットされていないかのチェック、切削工具が破損していないかの確認など、多様に活用できる。ニーズの有無を知るための参考展示だが、来場者からの関心は高い」(説明員)。

 その他、4.68mのアーム長を誇る1.7t可搬の巨大なロボットも会場内に設置され、鉱山用ブルドーザーの巨大なタイヤを持ち上げると多くの来場者が目を奪われた。
 
 5月22日、23日の2日間、同社名古屋支社でも新商品技術説明会が開催される。

(ロボットダイジェスト編集デスク 曽根勇也)

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