[注目製品PickUp!vol.22]自作など新たなロボ需要向け【後編】/オリエンタルモーター「αSTEP AZシリーズ」
αSTEPの進化
そもそも「αSTEP」はどのように進化してきたのか。
αSTEPは、1998年に新世代のステッピングモーターとして開発された。αSTEPの初期製品「ASシリーズ」は、モーター後部に回転子(ローター)位置検出センサーを搭載してフィードバックするメカニズムだった。電源をオフにしても現在位置情報を記憶しているアブソリュートシステムの構築には、バッテリーが必要だった。
ASシリーズもAZシリーズ同様、オープンループ制御を基本とするハイブリッド制御で、こうした制御はサーボモーターも得意だが、より安価に、正確な制御ができるステッピングモーターの利点が際立った。
さらにモーター内部でのエネルギー損失を見直し、より高効率にした「ARシリーズ」を2007年に発売した。
また11年には上位コントローラーに対応するドライバー「FLEX(フレックス)」を発売。対応するネットワークを増やし、省配線を実現した。I/O制御やModbus(RTU)制御、ネットワークコンバーター経由でのFAネットワーク制御など、さまざまな制御インターフェースに対応する。
そして現在は、バッテリーが不要な機械式の多回転アブソリュートセンサー「ABZOセンサ」を開発し、そのセンサーを搭載した「AZシリーズ」を販売する。
SIerに選んでほしい
同社はAZシリーズを、自作ロボット向けだけでなく、ロボットメーカーに対しても提案する。「αSTEPの特性を生かして、小型ロボット向けにも提案できる」と商品企画部の杉本竜太主任は言う。
また、プログラマブル・ロジック・コントローラー(PLC)と直結して使う「位置決め機能内蔵タイプ」には、連結運転や運転間のタイマー設定、条件分岐、ループ回転などの豊富な機能を搭載し、PLCのプログラムを簡略化できる。
「AZシリーズは自作ロボットを検討する生産技術者や、自動化システムを構築するシステムインテグレーター(SIer、エスアイアー)に選んで欲しい製品の一つ」と杉本主任は話す。