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2021.10.18

イベント

ベンチャーの最新搬送ロボに脚光/国際物流総合展

中国勢が続々参入

左端がコンテナを同時に6箱受け取ったハイピック

 AGVやAMRの開発が盛んなのが中国だ。日本市場への参入を図る企業も同展にブースを出展した。
 ブース内に大規模なシステムを構築し、日本市場への参入を強くアピールしたのがHAI ROBOTICS(ハイロボティクス、日本法人=埼玉県三芳町、リュウ・コウ社長)だ。同メーカーの製品は日本の提携先企業を通して一部国内でも使われているが、今年の8月に日本法人を設立。日本での本格展開に乗り出す。
 同社は、搬送だけでなく棚に直接樹脂コンテナを出し入れできる自律移動型のケース・ハンドリング・ロボット「HAIPICK(ハイピック)」を製造、販売する。棚からコンテナを1箱ずつ取り出すこともできるが、会場では自動ケース・ローダー・ポート「HIPORT(ハイポート)」を使い、6箱を一度にハイピックに受け渡すデモを披露した。「ハイピック側からハイポート側に受け渡すこともでき、受け渡しの効率を大幅に高められる」と営業担当者は話す。

 今後国内に参入予定の企業も会場内にブースを構えた。
 中国の杭州に本社を置くIPLUS MOBOT(アイプラスモボット)は、400kg可搬と1000kg可搬のAMR「EMMA(エマ)400」と「エマ1000」を展示した。埼玉県加須市に準備室を立ち上げ、日本進出の準備を進めている。「エマは中国国内では日系も含めた自動車メーカーで採用実績が多い製品で、中国国内だけでなく韓国やメキシコ、マレーシアでも販売している。各国で販売するための各種認証の取得準備も進めており、日本国内でも来年前半には販売を開始したい」(日本準備室の新井敏之準備委員)。

 中国・深センに拠点を置くYOUIBOT(ユーアイボット)も、今後の参入に向け、製品を日本で初披露した。
 搬送用のAMRをベースに、協働ロボットアームを搭載したバージョンや、コンテナを棚に出し入れできるケース・ハンドリング・ロボット、天板がコンベヤーになったタイプなどをそろえる。「米国や欧州では既に多くの販売実績がある。新型コロナウイルス禍で日本での展開が遅れたが、これから日本でも本格展開したい」と斉芸芝海外業務ディレクターは話す。

  • 参入に向け日本準備室を設置したアイプラスモボットのエマ

  • ユーアイボットは3機種を日本で披露した

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