[特集 ロボットテクノロジージャパンvol.3①]簡単なロボットあります まずは触ってみませんか?/ファナック 稲葉清典 専務執行役員
気を使わずに「ゆるく使える」ロボット
工作機械の自動化提案に注力
――そのほか、RTJの見どころはありますか?
工作機械の専門展「メカトロテックジャパン」を主催するニュースダイジェスト社の展示会ですから、工作機械の自動化提案に力を入れています。例えば旋盤チャックへのワークのローディングです。従来は精密な位置決めが必須でしたが、おおよその位置決めでローディングが可能です。具体的には力覚センサーを使い、チャックの位置やジョーの動きに合わせて、ロボットがワークの位置や姿勢を自動で調整します。既設の工作機械に簡単に後付けできるロボットシステムも展示予定です。その展示では機械に貼付したマーカーを3Dビジョンセンサーで読み込み、ロボットの設置位置ずれを自動で補正しながら、動作できることも紹介しています。
――ブースは見どころ満載ですね。
ロボットの活用が広がっている中、出来る限り多くのソリューションを展示します。使いやすさを追求しつつも、商品の基幹である信頼性を両立させています。機構部設計、センサー、ソフトウエア、回路設計、数値計算処理など、さまざまな要素技術を統合しています。関係者一丸となって取り組んできました、どれ一つ欠けても実現できなかったと思います。
――最後に、今回のRTJへの期待を聞かせてください。
これほど大規模に中部圏のロボット展示会に出展するのは今回が初めてです。一人でも多くの方にロボットを実際に見て、触っていただけることを願っています。日本の製造業の中心地である中部において、「簡単なロボットあります」ということを伝えたいですね。また、来場された方とじかに交流してその声を聴き、将来のロボット開発の方向性を考える参考にできればと思います。展示会での交流を通して、日本におけるものづくりの活性化に貢献できれば幸いです。
(聞き手・ロボットダイジェスト編集長 八角 秀)
稲葉清典(いなば・きよのり)
2009年1月入社、13年5月ロボット研究所所長、6月取締役、10月専務取締役ロボット事業本部長、16年3月取締役専務執行役員ロボット事業本部長、21年6月から現職。カリフォルニア大学大学院バークレイ校修了の工学博士。神奈川県出身、44歳。
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