世界の猛者。ABBが食品に注力するワケ【その2】/ABB中島秀一郎ロボティクス事業部長
食品向けに年間100件以上のテスト
――それではアプリケーション・センター東日本について、概要を教えてください。
アプリケーション・センター東日本は東京都多摩市にあり、2014年6月に開設しました。主に食品分野向けにロボット動作の調整やハンドなど周辺機器の開発をします。食品関係だけでも年間100件以上のテストをしています。食品分野以外にも、協働ロボット「YuMi(ユーミィ)」を設置しており、こちらは電子機器の組み立てテストの依頼が多いです。
――食品業界では何を作る現場向けが多いですか。
最近だと、冷凍食品やレトルト食品向けのシステムが多いです。冷凍食品の製造現場では低温下での作業になるため、本当に人手が集まらないと聞いています。また、弁当の盛り付け作業の依頼も増えています。
――そういった現場に対し、どのような提案を。
パラレルリンクロボットで対象物を持ち上げる(ピッキング)作業の提案が多いです。当社は、ピッキング作業用のパラレルリンクロボットをパッケージで販売しています。「IRB 360 FlexPicker(フレックスピッカー)」です。組み立て式でカスタマイズできるアルミ製の骨組みにパラレルリンクロボット「フレックスピッカー」を取り付け、パソコンなどの制御機器や画像センサーを組み合わせました。