産ロボの自作がより身近に/テクノフロンティア2019
食品産業にスカラロボットを提案
テクノフロンティアはロボットメーカーが勢ぞろいする展示会ではないが、出展したメーカーも数社あった。その1社、スイスに本社を置くストーブリ(大阪市淀川区、ロルフ・ストレーベル社長)は、昨年発売したスカラロボット「TS2-60」を展示した。
「当社はギアなどを自社で製造し、減速機の特許も保有する。製造するロボットに合わせて最適なギアを開発できるため、高速で高精度なロボットの動作を実現できる」(同社)。
特に力を入れるのが食品産業や医薬品産業、半導体産業などへの提案だ。食品向け仕様には特殊なコーティングが施され、アルカリ性や酸性の薬剤を使って洗浄できる。半導体仕様では過酸化水素水などを使った洗浄に対応し、清浄度が最高クラスのクリーンルームでも使用できる。アーム内部で電気配線やエアの配管ができるため、外部にコードも露出しない。
「食品産業ではパラレルリンクロボットよりも、洗浄しやすいスカラロボットを求める顧客が少なくない。そういった層に提案したい」(同社)。
協働オプションや新規参入の垂直多関節ロボを展示
台湾に本社を置くデルタ電子(東京都港区、柯進興社長)は、協働タイプではない自社のスカラロボットを協働ロボットのように使える専用カバーを参考展示した。ロボットアームに装着し、カバーが何かに接触するとロボットを即座に停止させる。人の接近を検知してロボットを減速させるエリアセンサーシステムと組み合わせて提案した。
また、同じスカラロボット用の力覚センサーオプションも紹介した。展示では、穴の開いた金属板に、ほぼ同じ寸法の棒を差し込む作業をさせた。穴の縁は面取りして斜めにし、わざと穴の中心からずれたところに棒が行くようにロボットの動作を設定。最初は棒が斜めになった穴の縁に当たって差し込めないが、接触の方向を検知して自動的に接触点から離れるように制御し、棒を差し込んで見せた。
日本では販売していなかった6軸の垂直多関節ロボットも展示。「日本の垂直多関節ロボットの市場に新規参入する。コストパフォーマンスの高さが最大の特徴」(新事業推進本部、陳馨鈞氏)。