[注目製品PickUp!vol.14]リーズナブルな単軸・直交でここまでできる【前編】/アイエイアイ「ロボシリンダー」
複数で直交ロボットにも
安価で簡単に使える
同社の看板製品が、今回取り上げる電動アクチュエーター「ロボシリンダー」だ。電機や自動車、半導体産業で使われる他、医療機器製造、食品製造に至るさまざまな設備に組み込まれる。
ロボシリンダーの主な構造は同社の他の電動アクチュエーターと変わらないが、簡単な操作とリーズナブルな価格を大きな特徴とする。
従来の電動アクチュエーターを使うにはプログラミングなど複雑な設定が必要だったが、ロボシリンダーは最初に動作の開始位置、停止位置などの「ポジション」を設定。その後はそのポジションの番号を指定するだけで動かせる。スライダーを手で動かしてその位置を覚えさせるダイレクトティーチも可能だ。速度や加減速度の細かな設定もできるが、「スマートチューニング」機能を使えば、使用条件に合わせて、サイクルタイムを最短にする加減速度に自動設定してくれる。
リーズナブルな価格は、ボールねじや直動ガイドなどを徹底的に内製化することで実現した。基幹部品の9割は自社で製造する。また、現在はサーボモーター仕様の製品もあるが、開発当時はサーボモーターが高価だったため安価なステッピングモーターを採用。角度変化を検出するセンサー(ロータリーエンコーダー)を組み込むことでサーボモーター同様の高精度な制御を可能にし、また、ステッピングモーターで発生する指令と実際の動作がずれる脱調という現象を解決した。
ロボシリンダーを発売したのは1999年。「従来の電動アクチュエーターでは30万円かかるケースでも、ロボシリンダーなら10万円で済むなど当時の顧客にとって衝撃的な価格だった。ロボシリンダーはすぐに大ヒットし、品ぞろえを次々と増やすことで電動アクチュエーターの代名詞的な製品にまで育った。他メーカーの製品を間違って『ロボシリンダー』と呼ぶ人も少なくない」(中村次長)。