[随想:ロボット現役40年、いまだ修行中vol.3]手探りの試作機開発から産ロボ事業参入へ【前編】/小平紀生
念願かなってロボット担当に
制御を手探りで開発
当時の丸山グループでは先行してNC開発も担当していましたので、電動サーボ制御の基本技術はありました。
しかし、回転軸やスライド軸のさまざまな組み合わせ機構で所定の作業をさせる多関節型ロボットでは、各軸が指令値に従って動くというだけでは、使い物にならないであろうことはそれとなく想像できていました。複雑なメカをどうやって制御するのか? どんな問題が起こるか? プログラミングはどうするのか?
当時は、米国のスタンフォード大学やマサチューセッツ工科大学での先行研究や、ユニメーションの「PUMAロボット」をはじめ国内外で嚆矢(こうし)となる電動ロボットが市場に現れ始めていました。しかし、当然のことながら研究論文や断片的情報ばかりで、具体的な製品化については、やはり手探りなわけです。
小平紀生(こだいら・のりお)
1975年東京工業大学機械物理工学科卒業、同年三菱電機入社。2004年主管技師長、13年主席技監。日本ロボット学会会長などを歴任し、現在は日本ロボット工業会のシステムエンジニアリング部会長やロボット技術検討部会長、FA・ロボットシステムインテグレータ協会参与、セフティグローバル推進機構理事兼ロボット委員会委員長などを務める。東京都出身、67歳。
※本記事は設備材やFA(ファクトリーオートメーション=工場の自動化)の専門誌「月刊生産財マーケティング」でもお読みいただけます。
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