日本ですべきことは、ただ一つ。たった一つ【前編】/KUKA Japan 大田紘新社長インタビュー
2019年は世界全事業で販売額4000億円
KUKAと美的集団
――「中国」事業を単独にする理由とは。
KUKAの親会社である中国の美的集団(ミデアグループ)との連携もあり、同国内での売上高が非常に伸びている。今後も工場の自動化は加速度的に伸長するでしょう。中国を別にすればKUKAは4事業に分かれていますが、各事業の連携による相乗効果は高い。ここからは私見ですが、中国事業の独立により、現地顧客へより包括的な提案をしやすくなるのだと推測します。
――美的集団の話が出ましたが、欧米と中国の政治対立により、ビジネスがしにくくなるとの懸念はないですか。
KUKAへの影響は現在、全くありません。対立はあくまでも政治上の話。実体経済への影響はあるかもしれませんが、企業間の連携に関しては直接の政治介入はないでしょう。
――なるほど。
実際、ドイツのKUKA本社と美的集団は親密に連携を取っています。また、美的集団の目的は明快で「KUKAの製品を通じて、中国の製造業のレベルを底上げすること」。中国にKUKAの製品やソリューションを積極的に取り入れる心意気は美的集団にありますが、KUKAの経営方針を親会社の力で変える、との思いはありません。