[国際ロボット展 特別リポートvol.14]「ロボットの概念を変える」テーマにデモ/オムロン
人の可能性を引き出す
オムロンが国際ロボット展で初公開した第7世代フォルフェウスは、ダブルスを組む2人の表情や動きから感情を推定し、パフォーマンス向上を促す。心拍数や瞬きの頻度、ラリーの返球速度などを非接触でセンシングし、2人の連携度や共感度を測定することで、チームのパフォーマンスを高めるシステムだ。
ロボットが人の可能性を引き出す第7世代フォルフェウスは、同社が工場自動化(ファクトリーオートメーション=FA)の進化の先に見据える「人との融和」を分かりやすく象徴する。ブースでは他に、ロボットが巧みに部品を組み立てるラインや、人とロボットが高度に協調し作業効率を最大限に高める生産ラインなど、人の可能性を引き出すロボットシステムを披露した。
人を超え、人と協調するデモ
組み立てラインでは、部材の検査から組み立て、完成品の外観検査をし、次工程への搬送までする。テープ状の薄いフレキシブルケーブルは多くの電気製品に使われる配線材だが、ぺらぺらのケーブルをコネクターに挿入する作業は案外難しい。説明員は「熟練の作業者でなければ効率よく組み立てることはできない。ロボットシステムなら、安定したスピードと品質で作業ができる」と話す。
人の能力を超える自動化を実現する例で、「機械にできることは機械に任せる」との同社の方針を体現するシステムだ。
協調ラインでは、人の作業の進ちょくに合わせて、ロボットが部材の供給や完成品の搬送、検査をする。人は、人にしかできない複雑な組み立て作業に集中できるため、ラインの生産効率が高まる。モニターに組み立て手順や注意点が表示されるため、多品種生産にも対応しやすい。