[ロボへの道も一歩からCase.1-④]ロボ決まる/サンエース編
【前回までのあらすじ】 <前回記事はこちらから>
システムインテグレーター(SIer、エスアイアー)に頼ることなくロボットの導入を目指すサンエース(岐阜県各務原市、藤田斉社長)。その前には多くの課題が立ちはだかる。製品をどのようにつかませるかだけでも、決めるのは一苦労だ。ロボットの導入を担当する斉藤さんは、ハンドの爪(先端の可動部)を自作し、いろいろな持ち方を試して考えるも「実際にロボットを動かさなければ分からない」と漏らす。いよいよロボットを決める番かと思いきや、すでに導入するロボットは決めていたという……
産業用6軸垂直多関節ロボット「VT6L」は、コストを理由に自動化をあきらめていたような単純作業の置き換えに適する。本体の低価格化に加え、バッテリーレス・モーター・ユニット搭載によるランニングコストの削減で、トータルコストの低減を図れる。可搬質量6kgで、ロボットを動かすコントローラーと本体が一体化しており、設置しやすい機種という。
「決める前に、いろんなロボットをチェックしたんですか?」(記者)
「そうですね。カタログを集めて、いくつか見てました」(斉藤さん)
「決めたポイントはどんな所ですか?」(記者)
「ロボットの性能や可動域、そして何より導入コストの安さですかね! そこで2機種に絞りました」(斉藤さん)
「最終的な決め手は?」(記者)
「ロボットの動きです。自社で使っているストッカー(製品を入れるケース)のサイズや形に合った動きをできるかどうかで、最後は選びました」(斉藤さん)
ストッカーから製品(エルボ)を取り出したり、ストッカーに入れる時に、ハンドがストッカーの壁面などに干渉(接触)しないようなアームの動きを考慮した結果だという。
ロボットが導入されれば、実際の動きを見ながらの調整が可能になる。作業の自動化に向けて大きな一歩になるわけだ。
「すでに注文したということは、もうすぐ導入ですか?」(記者)
「いや、来るのは12月の中旬らしいです」(藤田社長)
「結構、かかるんですね(率直な感想)」(記者)
「そうですね。私も2週間ぐらいで来るかなと思ってました(率直な感想)」(藤田社長)
記者と藤田社長の中では、「倉庫にロボットのストックがたくさんあるイメージ」だった。
「まぁ、納期はそんなもんですよ(キッパリ)」(斉藤さん)