[気鋭のロボット研究者 vol.22]バリ取りに力制御を【前編】/岐阜大学 伊藤和晃准教授
ロボットとエンドエフェクターでそれぞれ制御
そこで、伊藤准教授は大まかな動きをロボット側で、細かな動作をアーム先端に取り付けるエンドエフェクター側でそれぞれ制御させる手法を考案。バリ取り工具を動かすリニアモーターや、位置検出用の光学スケールなどで構成された独自のエンドエフェクターも開発した。
バリ取り工具の押し付け力をエンドエフェクターが検知して最適な力になるよう制御する仕組みで、ロボットの軌跡制御に依存することなくワーク(被加工物)の形状にならってバリを除去できる。
「リニアモーターに流す電流指令値と、光学スケールの測定値で力の大きさを推定する。力覚センサーに比べ電磁ノイズの影響が少なく、応答性の高い力検出ができる」と説明する。
この研究で培った力制御の技術を応用し、今後は熟練作業者の穴開け作業をロボットで再現する考えだ。
――後編に続く
(ロボットダイジェスト編集部 桑崎厚史)
伊藤和晃(いとう・かずあき)
2003年3月名古屋工業大学大学院工学研究科博士後期課程修了、4月豊田工業高等専門学校電気・電子システム工学科助手。04年4月講師、09年4月准教授、17年4月岐阜大学工学部機械工学科知能機械コース准教授。現在に至る。人工知能研究推進センターのロボティクス分野長や航空宇宙生産技術開発センターの人材育成部門長も兼任する。1975年生まれの46歳。三重県出身。
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※この記事の再編集版は、設備財や工場自動化(ファクトリーオートメーション=FA)の専門誌「月刊生産財マーケティング」2021年12月号にも掲載されています。