[気鋭のロボット研究者vol.23]未知の物体をつかむ/南山大学 中島明教授
まずは製造現場に
生産ラインで作られる自動車部品であれば素材の特性や形状が事前に分かるが、多指ハンドを実用化するには摩擦係数や形状、軟らかさなどが全く分からない物体も把持できなければならない。そのため、こうした未知の物体をつかむ場合は、ビジョンセンサーを使って形状を認識したり、指先に内蔵した小型の力覚センサーで接触した時の力加減を測定したりし、その物体の情報を取得する必要もあるという。
「研究の進ちょくは100点中30点ほど」と中島教授の自己評価は厳しい。
「物体を安定的につかむだけではなく、途中で落としそうになった時にリカバーする動作もできて、初めて人間のような器用さを再現できる。そこまでの道のりは遠く、やるべきことはまだまだ多い」と語る。
――後編に続く
(ロボットダイジェスト編集部 桑崎厚史)
中島 明(なかしま・あきら)
2005年3月名古屋大学大学院工学研究科電子機械工学専攻博士課程修了、同工学研究科機械理工学専攻助手。07年4月同助教。15年4月南山大学理工学部機械電子制御工学科准教授。20年4月同教授、21年10月から現職。石川県出身。1977年生まれの44歳。
関連記事:[気鋭のロボット研究者 vol.23]南山大学 中島明教授【後編】(3月下旬に公開予定)
※この記事の再編集版は、設備財や工場自動化(ファクトリーオートメーション=FA)の専門誌「月刊生産財マーケティング」2022年2月号にも掲載されています。