新型協働ロボット世界初披露! 強みはスピードと簡単さ/デンソーウェーブ
オンラインとリアル会場の併催
デンソーウェーブは3月3日~3月31日まで、産業用ロボットのオンライン展示会「DENSO Robotics Expo (デンソー・ロボティクス・エキスポ、DREx)2022」を実施している。DREx2022はオンラインとリアル会場での併催で、リアル会場では東京、大阪、愛知の順で開かれる。いずれも事前申し込み制だ。
東京会場では東京都江東区の「TFTビル西館TFTホール 500・300」で3月9日~11日、大阪会場では大阪市西区の「京セラドーム大阪」で3月16日~18日、愛知会場では愛知県刈谷市の「刈谷市産業振興センター あいおいホール」で3月23日~25日にそれぞれ開催される。
DREx2022の最大の目玉は、世界初披露の新型協働ロボット「コボッタプロ」。6kg可搬で最大リーチ長が908mmの「コボッタプロ900」と、12kg可搬で最大リーチ長が1303mmの「コボッタプロ1300」の2機種をそろえる。2機種ともオープン価格で、今年4月から販売を開始する。
独自のダイレクトティーチング機能
コボッタプロの最大の特徴は動作スピードにある。作業者が近くにいない時は高速で稼働でき、ツール・センター・ポイント(TCP)の速度はコボッタプロ900で最大毎秒2100mm、コボッタプロ1300では同2500mmだ。TCPとは、ロボットハンドなどアームの先端に取り付けるエンドエフェクターの位置を制御する際の中心点を指す。
作業者が近くにいる場合は協調運転モードに切り替わるが、コボッタプロでは安全性を十分に確保しながら動作スピードも追求した。コボッタプロ1300では、接触センサーを備えたロボット用ソフトカバーをオプションで搭載すれば協調運転時でも同2000mmのTCP速度を実現できる。
ソリューション事業部FAシステムエンジニアリング部の澤田洋祐部長は「協働ロボットは工作機械への加工物の搬送などの用途で検討されてきたが、従来は動作スピードの問題で採算が合わずに見送られることも多かった。コボッタプロは安全性とスピードを両立できるため、加工物の搬送などにも十分に力を発揮できる」と胸を張る。
簡単にプログラミングやティーチング(動作を覚えさせること)ができるのも大きな特徴だ。
動作プログラムの開発環境には「Blockly(ブロックリー)」と呼ばれるビジュアルプログラミング言語を採用した。ブロックを積み上げるようなイメージで、簡単にプログラムを作成できるのがポイントだ。
また、独自のダイレクトティーチング機能も新たに開発。大まかな動きだけではなく0.1mm単位の微調整作業でもティーチングペンダントを使うことなく、ロボットアームを直接操作するだけでよい。「ロボットの位置を微調整するにはティーチングペンダントが必要だったが、ダイレクトティーチングだけで全ての位置を教示できるようにした」と澤田部長は語る。
ブロックリーとダイレクトティーチングは連動しているため、複雑で精密な組立作業などでも簡単に動作プログラムを作成できる。