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2022.03.09

新型協働ロボット世界初披露! 強みはスピードと簡単さ/デンソーウェーブ

デンソーウェーブ(愛知県阿久比町、相良隆義社長)は、3月3日から開催している自社展示会で新型の協働ロボット「COBOTTA PRO(コボッタプロ)」を世界初披露した。コボッタプロの強みは動作の速さと操作の簡単さにあり、部品の搬送作業や複雑で精密な組立作業などの自動化に力を発揮する。自社展示会の開催に先立って3月1日には記者会見を開き、コボッタプロの特徴やデモを報道陣に公開した。

オンラインとリアル会場の併催

DREx2022で世界初披露する「コボッタプロ」

 デンソーウェーブは3月3日~3月31日まで、産業用ロボットのオンライン展示会「DENSO Robotics Expo (デンソー・ロボティクス・エキスポ、DREx)2022」を実施している。DREx2022はオンラインとリアル会場での併催で、リアル会場では東京、大阪、愛知の順で開かれる。いずれも事前申し込み制だ。
 東京会場では東京都江東区の「TFTビル西館TFTホール 500・300」で3月9日~11日、大阪会場では大阪市西区の「京セラドーム大阪」で3月16日~18日、愛知会場では愛知県刈谷市の「刈谷市産業振興センター あいおいホール」で3月23日~25日にそれぞれ開催される。

 DREx2022の最大の目玉は、世界初披露の新型協働ロボット「コボッタプロ」。6kg可搬で最大リーチ長が908mmの「コボッタプロ900」と、12kg可搬で最大リーチ長が1303mmの「コボッタプロ1300」の2機種をそろえる。2機種ともオープン価格で、今年4月から販売を開始する。

独自のダイレクトティーチング機能

  • 作業者が近くにいなければ高速で稼働

  • 作業者が近くにいる時でも安全性とスピードを両立

 コボッタプロの最大の特徴は動作スピードにある。作業者が近くにいない時は高速で稼働でき、ツール・センター・ポイント(TCP)の速度はコボッタプロ900で最大毎秒2100mm、コボッタプロ1300では同2500mmだ。TCPとは、ロボットハンドなどアームの先端に取り付けるエンドエフェクターの位置を制御する際の中心点を指す。
 作業者が近くにいる場合は協調運転モードに切り替わるが、コボッタプロでは安全性を十分に確保しながら動作スピードも追求した。コボッタプロ1300では、接触センサーを備えたロボット用ソフトカバーをオプションで搭載すれば協調運転時でも同2000mmのTCP速度を実現できる。

 ソリューション事業部FAシステムエンジニアリング部の澤田洋祐部長は「協働ロボットは工作機械への加工物の搬送などの用途で検討されてきたが、従来は動作スピードの問題で採算が合わずに見送られることも多かった。コボッタプロは安全性とスピードを両立できるため、加工物の搬送などにも十分に力を発揮できる」と胸を張る。

複雑で精密な組立作業でも簡単に動作プログラムを作成できる

 簡単にプログラミングやティーチング(動作を覚えさせること)ができるのも大きな特徴だ。

 動作プログラムの開発環境には「Blockly(ブロックリー)」と呼ばれるビジュアルプログラミング言語を採用した。ブロックを積み上げるようなイメージで、簡単にプログラムを作成できるのがポイントだ。
 また、独自のダイレクトティーチング機能も新たに開発。大まかな動きだけではなく0.1mm単位の微調整作業でもティーチングペンダントを使うことなく、ロボットアームを直接操作するだけでよい。「ロボットの位置を微調整するにはティーチングペンダントが必要だったが、ダイレクトティーチングだけで全ての位置を教示できるようにした」と澤田部長は語る。
 ブロックリーとダイレクトティーチングは連動しているため、複雑で精密な組立作業などでも簡単に動作プログラムを作成できる。

小売店での商品ピッキングをイメージしたデモ。ロボット本体に加え複数の周辺機器もRC9で統合制御できる

 コボッタプロのコントローラーには、ドイツのベッコフオートメーション製の産業用パソコンを組み込んだ最新版の「RC9」を採用した。
 RC9はロボット本体だけではなく3次元ビジョンセンサーなどの周辺機器の統合制御が可能で、従来は人手に頼るしかなかった高度な組立作業なども自動化できる。

 DREx2022ではこうしたコボッタプロの特徴を、3つのデモを通じて来場者に詳しく解説する。
 この他、RC9の最新の活用事例や、人工知能を搭載した3次元ビジョンセンサー「Mech-Eye(メックアイ)」や汎用ソフトウエア「AI模倣学習」を使ったデモなどを展示する。

(ロボットダイジェスト編集部 桑崎厚史)

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