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2022.03.18

[国際ロボット展 特別リポートvol.10]演奏者はロボット!/明和電機・THK、セイコーエプソン、バイバイワールド

今回の国際ロボット展(iREX)では、主催者企画としてロボットによる音楽演奏イベントが開かれた。また主催者企画以外でも、ロボットに音楽を演奏させるブースがあった。それら展示は一般来場者も「撮影可」であることが多く、スマートフォンで撮影して動画を「Twitter(ツイッター)」などの会員制交流サイト(SNS)に上げる来場者も少なくなかった。

人用の楽器を人型ロボットで

ステージ中央がオタマノイド。左端にいるのが明和電機の土佐信道社長

 今回展では東京ビッグサイトの東8ホールに主催者企画ステージが設けられ、30分間隔でロボットが楽器の演奏を披露した。
 このステージを担当したのは、中小電機メーカーをモチーフとするパフォーマンスユニットの明和電機(東京都品川区、土佐信道社長)。THKとのコラボレーション展示で、主旋律の演奏はTHKが開発した「オタマノイド」が担当した。これはTHKの人型ロボット「SEED-Noid(シードノイド)」と明和電機が開発した電子楽器「オタマトーン」を組み合わせたシステムだ。オタマノイドを中心に、周囲には明和電機が開発したベースや木琴を演奏する各種自動化装置を配置した。
 演奏した曲は2曲。1曲目は、フランク・シナトラの歌で知られる「マイウェイ」。土佐社長が「人生を歌う曲を、人生経験が全くないロボットが演奏するとどうなるか、お聞きください」と紹介すると、観客からは笑いがこぼれた。2曲目は、初音ミクの歌で知られる「千本桜」。オタマノイドがハンドについた複数の指をフル活用し、テンポが速い同曲を弾きこなしてみせた。

主催者企画以外でもロボットが演奏

ブース入り口で来場者を迎えるエプソンロボット音楽隊

 他にも、vol.9で紹介したセイコーエプソンはブースの入り口に「エプソンロボット音楽隊」を配置。ロボットがゲーム「ドラゴンクエスト」のテーマ曲や英国のロックバンドクイーンの「We Will Rock You(ウィ・ウィル・ロック・ユー)」、映画「劇場版 鬼滅の刃 無限列車編」の主題歌として知られるLiSA(リサ)の「炎(ほむら)」を演奏した。

マツケンサンバに合わせて手を叩くロボット「ビッグクラッピー」

 また、ロボット玩具メーカーのバイバイワールド(東京都品川区、高橋征資最高経営責任者)のブースでは、拍手ロボット「ビッグクラッピー」が音楽に合わせて手拍子を披露した。松平健の歌と踊りで知られる「マツケンサンバII」にリズムに合わせ、3体のビッグクラッピーが手を打ち鳴らした。ハンドは三井化学と共同開発したもので、人間の肌に近い感触の新たなゲル素材を用い、人の拍手音を再現する。

 いずれの展示も話題を集め、特に最終日の土曜日には、ロボットが演奏する姿に見入る子ども達の姿が多くみられた。

(ロボットダイジェスト編集デスク 曽根勇也)



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