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2022.03.23

[国際ロボット展 特別リポートvol.12]先進技術で全体最適を提案/三菱電機

三菱電機は国際ロボット展(iREX)の会場で、ロボットとFA(ファクトリーオートメーション=工場自動化)製品の高度な連携によるシステム全体の最適化を提示した。メイン展示では一品一様の製品を大量生産するマスカスタマイゼーションをイメージさせ、先進技術を多数盛り込んだティーチングレスロボットなどを展示し、来場者の注目を集めた。

マスカスタマイゼーションを提示

三菱電機名古屋製作所の大塚亨ロボット製造部長

 「部分最適ではなく全体最適を追求しなければならない」――。三菱電機名古屋製作所の大塚亨ロボット製造部長はそう話す。
 2022国際ロボット展(iREX2022)での三菱電機ブースは「ロボティクスによるDX」(注 DX=デジタル技術やデータを駆使した変革)をテーマにしており、メイン展示では先進的なスマートファクトリーの製造ラインのデモンストレーションを披露した。

 デモでは、変化する受注や生産の状況にリアルタイムで対応し、事前検証や生産設備の最適化を図ることで、一品一様の大量生産であるマスカスタマイゼーションを実現するイメージを来場者に提示した。
 具体的には、ノベルティーとして配布するパソコン用マウスをカスタムオーダーとして受け付け、キッティング(セットアップ)から基板、カバーの組み立て、ねじ締め、部品組み立て、刻印や検査、梱包、さらに出荷までを実演した。
 「お客さまの実際の製造現場により近い形のデモを提示することで、より強くイメージを喚起できた」と大塚部長は話す。

 「ロボットとFA製品の高度な連携で、工程設計から保全までのエンジニアリング・チェーン・マネジメント(ECM)と、生産計画から物流までのサプライ・チェーン・マネジメント(SCM)を融合し、システム全体を最適化した」(大塚部長)
 多彩なFA製品を展開する三菱電機ならではの提案は、来場者からも好評を博した。全体最適にはもちろん、各種センサーから収集したデータを見える化し、状態監視などをする制御システム「GENESIS(ジェネシス)64」などを生かし、安定稼働を実現した。

先進技術の参考出展も多数

実際の製造現場により近い形のデモに来場者は目を凝らした

 さらに、参考出展として披露したのが3次元(D)シミュレーター「MELSOFT Gemini(メルソフト ジェミニ)」だ。シーケンサー(プログラマブル・ロジック・コントローラ=PLC)などの制御機器に接続することで制御ロジックを3D動作で確認できるため、工程設計も簡単にできる。
 豊富なライブラリーから3Dモデルで装置などを配置でき、詳細なシミュレーションも可能だ。「仮想空間で詳細な事前検証ができるため、立ち上げの時間を大幅に短縮できる」と大塚部長は胸を張る。
 データサイエンスツール「MELSOFT MaiLab(マイラボ)」も参考出展。プログラミングが要らず、専門知識なしで製造現場のデータ分析ができる。

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