生産現場のロボット化と自動化を支援するウェブマガジン

2023.12.05

[SIerを訪ねてvol.40]自動化が難しい案件の受け皿になる/ピーエムティー

ピーエムティー(福岡県須恵町、京谷忠幸社長)は、2018年にロボットのシステムインテグレーター(SIer、エスアイアー)事業に参入した。ロボットシステムグループCSチームの光安慶悟リーダーは「当社は後発のSIer企業のため、独自色を出さないと生き残れない。他のSIerが断るような難易度の高い案件の受け皿の立場になることで、顧客からの信頼を得られて技術力の高さもアピールできる」と語る。過酷な環境である冷凍庫内で稼働できる自律搬送ロボット(AMR)を使った自動化システムの提案など、独自の強みで生存競争に挑む。

食品工場をワンストップで自動化

 ピーエムティーは、食品工場向けの自動化システムを得意とするSIerだ。自らを「SMART FOOD FACTORY CREATOR(スマート・フード・ファクトリー・クリエイター)」と称する。食品の供給から整列、箱詰め、パレタイズに至るまでの一連の生産ラインをワンストップで提供する。

 光安リーダーは「当社はフードプリンターの開発、製造もする。食品の供給や整列などの一連の流れに、食材への文字や写真の印刷を組み込むこともできる」と話す。生産ラインの自動化に加えて、「P-smart(スマート)遠隔モニタリングシステム」による現場のモニタリングや異常検知も提案する。

シビアな要求にスカラで応える

 自動化提案を重ねて培ったノウハウをパッケージ化して販売もする。「外観検査搭載高速供給ロボットシステム」や「高速移載ロボットシステム」「外観検査搭載高速箱詰めロボットシステム」といったパッケージ製品をこれまでに発売してきた。

 食品業界はシビアなタクトタイムを要求されることが多く、これらのパッケージのいずれにも高速で動けるスカラロボットが使われている。ロボットによる自動化提案の内、スカラロボットを使ったシステム提案が大半を占めが、「幅広いメーカーのロボットを取り扱っており、種類もスカラロボットに限らないため、顧客の要望に柔軟に応えられる」と光安リーダーは話す。

  • ピーエムティーの本社外観

  • 食品の供給や整列、箱詰め、パレタイズなどのシステムインテグレーションをワンストップで担う

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