溶接ロボットの新潮流/2024国際ウエルディングショー(2/3)
幅広いロボット活用
ファナックは、ロボットの幅広いラインアップを生かしたアプリケーション例を多数出展した。
特に来場者の目を引いたのが、可搬重量1tのロボットが600kgのワーク(溶接対象物)をハンドリングしながらアーク溶接ロボットを協調動作させるデモだ。溶接ロボットがワークを精度よく追従する動作に、スマートフォンのカメラを構える人が目立った。
ブース正面では新製品「R-50iA」を出展。サイバーセキュリティーの国際規格に対応するコントローラーだ。また、ハンディーレーザー溶接機と協働ロボットを組み合わせたシステムも出展。コスメックのツールチェンジャーを介して簡単に脱着でき、ロボット溶接と手動での溶接を簡単に切り替えられる。その他、自動経路生成技術や摩擦攪拌(かくはん)接合(FSW)技術などをPRした。
安川電機はパッケージ製品やさまざまなロボットを展示し、来場者から注目を浴びた。
レーザー溶接ロボットパッケージ「MOTOPAC(モートパック)-RL3D1200-GP50」は、高出力のガルバノスキャナーを搭載するのが特徴。「ガルバノスキャナーは、反射鏡でレーザー光を任意の方向に制御し、ピンポイントで照射できる。照射するためにアームを都度動かす必要がないため、最小限の動きで溶接できる」とロボット事業部マニピュレータ・アプリケーション技術部接合技術開発課の福島誠一郎課長はいう。
他にも協働ロボットと溶接設備をパッケージにした「モートパック-WHC人協働アーク溶接パッケージ」を展示し、場所を選ばない溶接の自動化も提案した。
パッケージ製品に加えて、現在開発中の垂直多関節ロボット「MOTOMAN(モートマン)-GG250」にFSW装置を取り付けたものなども出展。モートマン-GG250は剛性が高く、FSWのような大きな反力を受ける加工でも軌跡のずれを大きく抑えられる。