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2019.08.02

インタビュー

KUKAは高品質のメカをニッチな分野にも、IoTにも提案する【後編】/KUKAジャパン星野泰宏社長(3/3)

10年、20年先を見据えた開発方針

「インダストリー4.0の扉は開きつつある」(星野社長)

――今後の展望は。
 やはりトレンドはモノのインターネット(IoT)でしょう。実はLBRイーバはプログラミング言語が、パソコンやネットワーク向けによく使われるプログラミング言語のJavaになっています。プログラミングにJavaを使うロボットは案外少ないです。

――プログラミング言語にJavaを使った狙いは。
 製品の開発から設計、生産を効率化するドイツ発のスマートファクトリー構想「インダストリー4.0(I4.0)」のキーワードの一つは、人とロボットの協働(human-robot-collaboration=HRC)です。そのために協働ロボットが要ります。ロボットや各種機械、装置、ネットワーク、関連ソフトウエアが同じ言語を使用しないとスムーズな連携は実現しません。Javaのような既存で汎用性の高いプログラミング言語を共通で使うのであれば、お互いのコミュニケーションが容易になるのではないでしょうか。そういった10年、20年先を考慮して開発している。I4.0に当初から関わるだけでなく、先を見た開発方針もわれわれの大きなアドバンテージだと思います。

――I4.0は具現化してきますか。
 今はすでに具現化した工場が登場しつつある段階です。未来の扉に例えると、これまでは「I4.0の考えが扉の向こうに見えて、やれることはわかってきた」状態でした。今は「目の前の扉が開きつつある」状態です。何かきっかけがあれば、一気に開く可能性もあると考えています。今後はI4.0のコンセプトに近い工場を新設する支援も積極的にできればと思います。

――終わり
(ロボットダイジェスト編集部 西塚将喜)


<プロフィール>
星野泰宏(ほしの・やすひろ)
東海大学工学部卒業。1998年シーメンス入社。2007年KUKAの日本法人KUKAロボティクスジャパン(現KUKAジャパン)設立に参画。09年VPテクニカルディレクター。12年代表取締役。1971年東京都生まれの48歳。

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