[注目製品PickUp! vol.9]設置面積は座布団以下!? 500mm四方に収まるコンパクトなロボット【後編】/スギノマシン「スイングアーム式コラムロボット」(1/4)
搬送に加え穴開けやバリ取りも
スギノマシンが開発したスイングアーム式コラムロボットの最大の特徴は、非常に狭いスペースで稼働できること。
一方でアームの剛性も高いため、加工物の搬送だけではなく、材料をつかんだ状態で穴開け加工やバリ取り(加工時に金属や樹脂に発生する、バリと呼ばれる不要な出っ張りを取り除くこと)などもできる。
コラムロボットは、言うまでもなくスペースが限られる場所で使うのが最も有効だ。既存の生産ラインに後付けする場合でも、機械と機械の隙間が縦横でそれぞれ500mm以上あればレイアウトを大きく変える必要はない。
また、棒状のボディーにロボットアームを縦に収納する構造を採用し、アームが本体の後ろ側にはみ出さないため、従来のロボットでは使うのが難しかった壁際でも設置できる。
一貫生産ラインの提案に注力
コラムロボットを生かした独自のソリューションとして、同社が最近特に力を入れているのが「一貫生産ライン」の提案だ。
一貫生産ラインは幅広い事業を手掛ける同社ならではのソリューションで、加工から搬送、洗浄までの一連の工程を全て自社製品でまかなう。材料の加工にはマシニングセンタ(MC)と呼ばれる工作機械やドリルユニット、洗浄には高圧洗浄機を使う。そして、コラムロボットは2台の機械の間で加工物の搬送を担う。
経営企画本部長と新規開発部長を兼任する杉野岳常務執行役員は「工作機械と洗浄機、ロボットを自社製品に持つ会社はあまりない。MCや洗浄機などの当社の既存製品の商品力をさらに高めるためにも、コラムロボットを活用したい」と強調する。