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2019.05.21

イベント

「高度な技術を使いやすく」、新製品を多数発表/ファナック

ファナックは4月、山梨県忍野村の本社で「新商品発表展示会」を開いた。溶接ロボットや協働ロボットなどの新製品を発表した。最終日は真冬のような寒さになり季節外れの雪に見舞われるなど、天候には恵まれなかったが、会場は大くの人でにぎわった。「高度な技術をいかに使いやすくするか、という視点で商品化した」と山口賢治社長兼最高経営責任者(CEO)は話す。

簡単ロボットパッケージに放電加工機用を追加

 今回の新商品発表展示会では、工作機械用の制御装置やサーボモーターなどの「FA事業」、工作機械などの「ロボマシン事業」、産業用ロボットの「ロボット事業」の各分野の新製品・新技術を発表した。
 山口社長は「今回重視したのは使いやすさ。高度な技術をいかに使いやすくするか、という視点で商品化した」と話す。「われわれは技術者集団なので、どうしても最高性能だとか、今までできなかったことに挑戦しがち。それはそれで大事なのだが、歴史をひもといてみても、使いやすい商品でなければ、なかなか普及には至らない」(山口社長)。

ワイヤ放電加工機の手軽な自動化を提案

 「高度な技術を使いやすく」、その一例が協働ロボット「CRシリーズ」(緑のロボット)を使った簡単スタートアップパッケージ「QSSR」だろう。
 自社の工作機械と組み合わせて使うロボットシステムで、切削加工機の「ロボドリル」用はすでにラインアップしていたが、今回はワイヤ放電加工機「ロボカット」と組み合わせて提案した。会場では被加工材の自動交換を披露し、注目を集めた。

箱の中の物を自動認識してピックアップ

 通常ロボットを使うには、事前にロボットに動作を覚えさせるティーチング(教示)が必要だ。しかしそれでは、雑然と積まれた物を扱うことができない。こうした課題を解決するため、画像解析技術などを使った教示レスのピッキングシステムも展示した。カメラで対象物を認識し、リアルタイムに経路を自動生成してつかみ上げる。ティーチングが不要で、さまざまな形状の物が混載されていても対応できる。
 これも高度だが使いやすいシステムの一例と言える。

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