生産現場のロボット化と自動化を支援するウェブマガジン

2019.07.23

活用事例

[ロボットが活躍する現場vol.5]一品物の生産でもロボットは使える【前編】/ホーコス

ホーコス(広島県福山市、菅田雅夫社長)は現在、「ATC自動組み立てプロジェクト」を推進する。ATCとは、工作機械に取り付けて使う刃物(切削工具)を自動交換する自動工具交換装置(オート・ツール・チェンジャー)のこと。ばねを縮めた状態で部品を組み付ける必要があるなど、高度な作業が求められる。2017年から検討を始め、自社でシステムを一から構築した

一品物の生産でも自動化はできる

 ホーコスは、工作機械などを製造するメーカーだ。「ATC自動組み立てプロジェクト」とは、自社の工作機械に組み込んで使うATCを、産業用ロボットで自動生産するプロジェクトのこと。

 2017年にロボットの導入を検討し始め、どの工程をどのように自動化するかといった検討から、実際のシステム構築まで自社で行った。「人手不足で人を増やしにくく、働き方改革にも対応しなければならないので、ロボットによる自動化を検討し始めた」と池田邦弘取締役工機技術本部長は言う。

「似たような動作を繰り返す工程を探し、ATCの組み立てを自動化の対象にした」と池田邦弘取締役

 同社は、自動車メーカーなどの顧客の要望に合わせて専用の工作機械を設計、製造し、それらを組み合わせて製造ラインとして提供することを得意とするメーカーだ。
 自社で仕様を決めた製品を量産して販売する企業ではないため、案件ごとに仕様が異なるいわゆる「一品物」の生産が多い。

 「一品物の生産を自動化するのは容易ではないが、それでも同じ動作を繰り返している工程はないか検証した。その結果、ATCの組み立てでは似たような動作を繰り返す作業があり、自動化のターゲットになった」と池田取締役は言う。

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