溶接ロボットに軸足を置き、周辺領域を開拓【後編】/ダイヘン金子健太郎常務執行役員
電気を扱う技術を起点に溶接ロボットを開発し、搬送用ロボットにも事業領域を拡大するダイヘン。ロボットの生産拠点である六甲事業所を自動化技術のノウハウを蓄積する場としてとらえ、人材育成にも生かしてきた。ニーズに応じて協働ロボットをはじめ、モノのインターネット(IoT)や人工知能(AI)などFA製品のトレンドを取り込むことにも意欲を見せる。
生産現場のロボット化と自動化を支援するウェブマガジン
NEW ARTICLE
電気を扱う技術を起点に溶接ロボットを開発し、搬送用ロボットにも事業領域を拡大するダイヘン。ロボットの生産拠点である六甲事業所を自動化技術のノウハウを蓄積する場としてとらえ、人材育成にも生かしてきた。ニーズに応じて協働ロボットをはじめ、モノのインターネット(IoT)や人工知能(AI)などFA製品のトレンドを取り込むことにも意欲を見せる。
電柱上の変圧器のメーカーとして1919年に設立され、電気関係の技術を生かして自動溶接機を開発。そして汎用性の高い自動溶接の手段としてロボットを開発した。近年では溶接ロボットに軸足を置きながら、ハンドリングロボットにも守備範囲を広げている。ダイヘンでFAロボット事業部長を務める金子健太郎常務執行役員は「お客さまのニーズを元にロボットを開発し、周辺機器を含めソリューションとして提案したい」と語る。
「自律分散型のソリューションをデータドリブンで実現したい」――。いきなりそう言われて理解できる人はあまり多くないだろう。しかし、安川電機の小川昌寛ロボット事業部長は大真面目にその構想を掲げ、実現に向けて着実に歩みを進めている。世界で最もリアルに産業用ロボットの未来を語れる人物の一人、小川氏の「脳内」をほんの少しのぞかせてもらった。
ロボットがなぜスムーズに動き、正確に作業をこなせるのか? ロボットが賢いのはもちろんだが、ロボットが正確に作業をこなせるように、ロボットの剛性がしっかりしていなければならない。ロボット本体とアーム、ロボットハンドのそれぞれが、決められた位置でぴたりと止まる。そのためには「高精度」「高剛性」「高信頼性」の3つの「高」を備えた減速機が必要なのだ。前編で減速機の重要性は理解できた。ではそもそも産業用ロボット向けの精密減速機「RVシリーズ」はどんな発展を遂げてきたのか。前編に続き、中・大型の産ロボ向け精密減速機で世界シェアの6割を占めるナブテスコの精機カンパニーで開発部長を務める森弘樹理事に、減速機の「肝」を聞いた。
ロボットがなぜスムーズに動き、正確に作業をこなせるのか? ロボットを動かすソフトウエアが賢いのはもちろんだが、それだけではない。例えばロボット本体がぐらついていたら正しい場所でアームが止まらず、先に取り付けたロボットハンドに作業などさせられない。ロボット本体とアーム、ロボットハンドのそれぞれが、決められた通りの位置でぴたりと止まらなくては、肝心な作業が始められない。各部分を実際に動かすのはモーターだが、重要なカギを握るのはモーターに取り付けられた減速機なのだ。中・大型の産業用ロボットの関節に使われる精密減速機で、世界シェアの6割を占めるナブテスコの精密減速機「RVシリーズ」。この製品を製造する津工場に向かい、精機カンパニーで開発部長を務める森弘樹理事に精密減速機の肝について聞いた。
9月16日~21日の6日間、ドイツ・ニーダザクセン州のハノーバー国際見本市会場で開かれた欧州国際工作機械見本市「EMO(エモ)ハノーバー2019」。欧州では人手不足が深刻化しており、自動化や省人化の提案が目立った。後編ではロボット以外の自動化や工作機械の被加工物の交換以外の提案をまとめた。
経済産業省と新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)は11月12日、小売りや飲食、施設管理、食品といったロボットの導入が進まない分野でのロボット活用を促進するプロジェクトチーム「ロボット実装モデル構築推進タスクフォース(TF)」を立ち上げた。TFは、トヨタ自動車やイオン、三菱地所、キユーピーなど各分野のロボットユーザーと、ロボットシステムの構築を担うシステムインテグレーター(SIer、エスアイアー)、大学で構成する。
近畿経済産業局とロボットのシステムインテグレーター(SIer、エスアイアー)のHCI(大阪府泉大津市、奥山剛旭社長)、ロボット開発シンクタンクのi-RooBO Network Forum(アイローボ・ネットワーク・フォーラム、会長・坂本俊雄ブリッジ・ソリューション社長)は共同で、12月9日に大阪府泉大津市の泉大津商工会議所でロボット導入促進セミナーを開催する。ロボットの試作支援やロボット教育ワークショップを運営するソーゾーロボテクノの滝沢一博代表は「無料で使用できるロボットOS『ROS』、その魅力と活用法について」、ロボットメーカーの安川電機は「高まるロボットニーズ・導入事例紹介」についてそれぞれ講演する。
欧州国際工作機械見本市「EMO(エモ)ハノーバー2019」が9月16日~21日の6日間、ドイツ・ニーダザクセン州のハノーバー国際見本市会場で開かれた。欧州では人手不足が深刻化しており、自動化や省人化の提案が目立った。工作機械がメインの展示会で、ロボットはどのような作業をしたのか。ロボットの作業内容に焦点を当てる。
ヤマハ発動機は、従来機よりも性能を高めた2軸ロボットコントローラー「RCX320」を12月1日に発売する。2006年発売の「RCX221/222」と比べ、メモリー容量を5倍以上にし、中央演算処理装置の処理能力も3倍に高めた。モノのインターネット(IoT)システムにも対応する。「直線軸を2つ組み合わせた2軸制御ロボットの他、4軸制御コントローラー『RCX340』と連携させれば合計で6軸制御もできる。わが社のロボット事業の3割から3.5割を占める製品群の性能アップに直結する、インパクトの大きい商品」とロボティクス事業部の鈴木芳邦FA統括部長は話す。