「人と協調するAI」を開発、AGVやロボットに適用/三菱電機
三菱電機は6月3日、同社の人工知能(AI)技術「Maisart(マイサート)」を活用し、周囲の作業者の行動を妨げない機械動作を実現する「人と協調するAI」を開発したと発表した。
無人搬送車(AGV)に搭載すれば、人やフォークリフトを感知して道を譲るなどの協調的な動作が可能になる。AIがなくても、AGVやロボットが人に近づくと停止する機能は実現できたが、その場で停止することが通行や作業を妨げる原因になり非効率だった。シミュレーターでの実験では、人と機械が混在する環境での作業効率が従来比で30%向上した。
このAI技術は、熟練者の操作データを基に、操作の意図を自ら推測して最適な動作を学習する「逆強化学習」と呼ばれる方法で実現した。これにより、従来の学習方法に比べ90%以上少ないデータでの学習も可能になるという。
今後は、人と機械が混在する現場で使われるAGVやロボットでの運用に向け実証を重ねるほか、車の自動運転などへの展開も目指す。