URに続きテックマンも! 協働ロボ向けハンドを拡充/CKD
3ステップ、5分で取り付け
使いやすさが大きな特徴で、営業本部販売促進部商品拡販グループの石丸幹リーダーは「誰でもすぐに、簡単に使えることがコンセプト」と語る。
TMシリーズへの取り付けは簡単で、たった3つのステップ、わずか5分で装着できる。専用工具を使わずに交換できるため、段取り替えの作業時間も短縮できる。
また、TMシリーズの専用ソフトウエア上で、爪の開閉などのプログラムを作成できるのもポイントだ。
販売価格はRLSH-TMシリーズが本体定価23万8000円~、RHLF-TMシリーズが本体定価26万7200円~、RCKL-TMシリーズが本体定価25万2200円~。いずれも税別だ。
石丸リーダーは「代理店とタッグを組んで拡販を進めたい」と意気込む。CKDの主力製品である空圧機器などを取り扱う代理店と、TMシリーズを取り扱う代理店が同じなので、その代理店の流通ルートを生かしてハンドの販売を加速させる。
また、テックマンはオムロンと戦略的提携を結んでおり、オムロンの販売網も通じてTMシリーズの提供台数を拡大している。そのため、CKDはオムロン製品を取り扱う代理店のルートも活用し、ハンドの拡販に弾みを付ける考えだ。
顧客との物理的な距離の近さや短納期対応など、CKDが「地の利」を生かせるアジア市場が主なターゲット。3年後の23年度には1600万円の販売を目指す。
グッドデザイン賞を受賞
CKDが協働ロボット向けのハンドを初めて市場投入したのは20年2月。デンマークのUR用の空圧式ハンド「RLSH-URシリーズ」「RHLF-URシリーズ」「RCKL-URシリーズ」の3機種を発売した。
日本企業では初めて、空圧式ハンドの分野でUR独自の周辺機器認証制度「UR+」の認証を取得した。販売促進部の島竜一郎部長は「引き合いはたいぶ増え、受注も伸びている」と述べる。
今回発売したテックマン用のハンドは、UR用と型式が同じだが、石丸リーダーは「ハードウエアはUR用もテックマン用も一緒。デザインも含めイメージを統一したかった」と説明する。販売価格も合わせた。
CKDの協働ロボット向けのハンドは、使いやすさだけではなくデザインにもこだわった。丸みを帯びた優しい形状を採用し、黒を基調色とした視認性に優れたデザインを取り入れた。
「人と一緒に作業をする」という協働ロボットならではの特性を踏まえたデザインにするべく、自社のデザインチームが製品開発の初期段階からプロジェクトに参画し、協働ロボット向けのハンドのデザインコンセプトを確立した。
ハンドのデザイン性が高く評価され、20年10月1日には日本デザイン振興会が主催する「2020年度グッドデザイン賞」も受賞した。
第一弾のUR、第二弾のテックマンに続き、21年には第三弾として国内ロボットメーカーの協働ロボット向けのハンドを発売する計画だ。
島部長は「協働ロボットの市場は今後も間違いなく伸びる。URやテックマン、その次のロボットメーカーも含め、協働ロボット向けのハンドのラインアップを拡充したい」と話す。
(ロボットダイジェスト編集部 桑崎厚史)