調理ロボ市場の開拓に向け、「今年が勝負の時」/コネクテッドロボティクス 沢登哲也CEO
たこ焼き、そばゆでロボットなど開発
飲食経験とロボット技術を掛け合わせる
同社が調理ロボット事業に取り組み始めたのは2017年。この年の4月に、たこ焼きロボットのプロトタイプで事業アイデアコンテスト「スタートアップ・ウィークエンド・ロボティクス」のグランプリを受賞した。
沢登CEOは、東京大学や京都大学大学院で情報処理を学び、創業前は制御機器メーカーでロボットコントローラーや人工知能を使ったソフトウエアの開発を経験。14年にコネクテッドロボティクスを創業した後もしばらくは、調理とは無関係の制御ソフトの開発などをしていた。
祖父母が飲食店を経営していたこともあり、昔から飲食業界への関心は高かった。制御機器メーカーに入社する前は、飲食店をチェーン展開する企業で働いたこともある。
「飲食業界はアルバイトが抜けた穴を正社員が埋めるなど、働く人への負担が大きい。技術革新を起こして根本から変えないと、今後立ち行かなくなるのではと感じた」と沢登CEOは言う。
コンテストでアイデアは評価され、飲食企業にヒアリングしても好感触だったが、調理ロボット市場が今後どれだけの規模に成長するかなどは、全く見通しが立たなかったという。沢登社長は「データとして市場の見通しが出せる分野には大企業が参入してくるため、中小やベンチャー企業の新規事業には向かない。市場が見通せない分野に、覚悟を決めて取り組むしかない」と話す。