[特集 物流機器は新世代へvol.13]開幕日は2200人が来場、リアル展示2日目弾む商談
軽量な汎用ハンド、物流に業界ニーズ/シュマルツ
ドイツに本拠を置く真空機器メーカー・シュマルツの日本法人(横浜市都筑区、ゲッテゲンス・アーネ社長)は、新製品の汎用真空グリッパー「FQE」を展示した。セッティングの変更作業などの「段取り替え」なしでさまざまなサイズや形状、複数の対象物を吸着してつかむ。
同社はこれまで、汎用性が高く段取り替えなしで使える真空グリッパーを販売してきが、これまでとの最大の違いは「軽さ」だ。素材をアルミニウムから樹脂に変え、従来比で30%減らした70%の重さにした。グリッパーが軽くなればその分だけ、同じロボットで重い対象物を扱える。
「重い対象物を搬送することが多い物流業界では、ハンドを大幅に軽くするニーズがあった」と担当者は話す。
発生するノイズを「工場などで難なく会話できる」とされる最大64db(デシベル)に抑えており、人と一緒に作業する協働ロボットなどにも使える。段ボールの搬送や射出成型機からの成形品の取り出しロボットなどにも使える。
AI技術で手書き文字も認識/リンクス
大きさ、形が不ぞろいでも自動ピッキング/伊東電機
物流システムやマテリアルハンドリング(マテハン)機器を製造、販売する伊東電機(兵庫県加西市、伊東徹弥社長)は、コア技術のモーター内蔵型ローラー(モーター・ドリブン・ローラー、MDR)をベースとしたピッキングシステム「TAPS」を出展し、物流現場の自動化を提案した。
TAPSはトレーマネジメント・オート・ピッキング・システムの略で、トレーを使うことで大きさや形が不ぞろいな商品を定形化し、物流や配送現場でのピッキング工程を自動化する。
具体的には①商品の荷さばきとスキャニングをする機能②商品の入ったトレーを垂直方向に仕分けする機能③入庫や出庫などの複合的な動作を同時に実施できる機能④オーダーに応じて荷合わせをする機能――の4つを自在に組み合わせてシステムを構築する。
会場では、高精度な読み取りと省スペースを同時に実現したスキャニングエリアなど、①~④の各機能ごとに最新の要素技術を提案し、来場者の関心を集めた。