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2021.05.10

コスト抑えて協働ロボのシステム構築/横山興業

自動車のプレス部品などを製造する横山興業(愛知県豊田市、横山栄介社長)は、中国のAUBO robotics(オーボロボティクス)製の協働ロボットを2台導入した。「協働ロボットは、安全柵が必要な垂直多関節ロボットと同じように使うと費用対効果が低くなりやすい」と横山社長は強調する。そのため、「いかにコストを抑えながら自動化するか」との発想でシステムを構築した。

自動車と建材の2本柱

横山興業の工場(写真は全てオーボロボティクス代理店の三機提供)

 横山興業は1951年の創業で、現在は「自動車」と「建材」の2本柱で事業を展開する。
 自動車事業では主に自動車のシート周りの部品を製造しており、プレス加工から組み付け、溶接まで一貫して生産できるのが特徴だ。「ハイテン材」と呼ばれる引っ張り強度が高い金属材料のプレス加工技術が強みで、厚板を高い精度で打ち抜く「SFP工法」といった独自技術も保有する。
 最近は、プレス部品用の金型の研磨加工技術を生かし、自社ブランドのカクテルシェーカーの販売にも力を注ぐ。
 また、建材事業では、住宅の屋根や雨どい、外壁材の加工や販売を手掛ける。その他、蓄電池の販売などの新規事業にも取り組む。

スポット溶接ラインに2台導入

大見工場にオーボi5を2台導入

 同社は昨年、自動車のシート部品を生産する愛知県豊田市の大見工場に中国のオーボロボティクス製の協働ロボット「AUBO-i5(オーボi5)」を2台導入した。2台ともナット(内部にねじ溝が切られた締結部品)をスポット溶接するラインに採用し、プレス加工後の部品をスポット溶接用設備にセットする作業を自動化した。

 1台目は「作業者の手伝い」のような感覚で使用している。作業者が専用のジグ(補助器具)に部品を数個セットしておけば、オーボi5がその部品をスポット溶接用の設備に搬送する仕組みだ。
 また、2台目のラインには全部で5つの工程があり、その工程の一部にオーボi5を組み込んだ。最初の1~2工程を人、残りの3~5工程をオーボi5がそれぞれ担当する。

 従来は両ラインとも2人体制で運用していたが、作業者各1人をオーボi5に置き換えた。A4用紙ほどの大きさの部品を6種類ほど取り扱う。

  • スポット溶接の様子

  • 2台ともデンマークのオンロボット製のロボットハンドを採用

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