専門展で見た取り出しロボットの最新提案/名古屋プラスチック工業展2021
154社・団体が出展
産業用ロボットの展示も
今回展では取り出しロボットメーカーが大きな小間を構え、最新の製品や技術を披露した。
取り出しロボットやファクトリーオートメーション(FA、工場の自動化)関連装置を製造、販売するスター精機(愛知県大口町、塩谷国明社長)は、今年2月に発売した新製品「IXW-800SⅥP」を展示した。最大可搬重量を従来機の5kgから8kgに高めた。ハンドの取り付け面も反転、旋回、回転の3軸を制御でき、より複雑な動きが可能となった。「インサート成形(金属部品と樹脂を一体で成形する手法)した複雑な部品を取り出す時や、成形後に2次加工をする時に役立つ」と担当者は語る。
また、同社は取り出しロボットや産業用ロボットのハンドも内製しており、小間ではハンドに使用する軽量なカーボン製の部品や、コストパフォーマンスが高いハンドチェンジャーなども紹介した。
ハーモ(長野県南箕輪村、浜秀明社長)は取り出しロボットや周辺機器の設定や、稼働状況の管理などが一元でできる「トータルリンク」の新機能を提案した。
成形する部品が変われば金型を変更するのは当然だが、取り出しロボットのハンドも交換する必要があり、さらに使用する金型に対応した成形プログラムにも切り替えなければならない。これらの事前準備作業を「段取り」と呼ぶが、人手による作業なのでハンドの交換や成形プログラムの切り替えを忘れてしまうこともある。
トータルリンクには従来、ハンドを交換し忘れた状態で次の作業に進めるとアラームを鳴らして作業者に注意喚起する機能があった。同社はこれに加え、ハンド交換時に自動で成形プログラムを切り替える機能も今回新たに追加した。ヒューマンエラーの防止や段取りの効率化を実現する。