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2022.03.04

[特集 国際ロボット展vol.10]扱いやすさは周りが決める/オンロボット、アジリル

ロボットはロボットハンドなどの周辺機器と組み合わせて、初めて具体的な用途に使える。そのためロボットの扱いやすさは、周辺機器にも左右される。そこで周辺機器を包括的にラインアップして提案する企業が増えている。OnRobot(オンロボット、日本法人=東京都渋谷区、鈴木孝代表)は、協働ロボット向けの豊富な製品群で顧客の要望に応える。また、アジリル(日本法人=横浜市緑区、ロベール・シャンプー社長)は独自のパーツフィーダーなどでピッキング作業を簡単にする。

エンドエフェクターだけではない

オンロボットの鈴木孝代表と主力のロボットハンド

 デンマークに本社を置くオンロボットは、協働ロボットの先端に付けて使うエンドエフェクターメーカーとして有名で、国内でも売り上げを年々伸ばす。エンドエフェクターは現在14種類をラインアップする。
 エンドエフェクターの固定と配線接続を一度にできる専用マウント(取り付け機器)「クイック・オンロボット・チェンジャー」を使うと、国内外を問わず、主要メーカーほぼ全ての多関節ロボットに装着できる簡単さが特徴だ。

 製品群の中でもロボットハンドは、爪で挟んで把持するグリッパーや吸着式ハンド、磁気式や分子間力を使った特殊な製品まで幅広い。把持対象物(ワーク)の特性に応じて最適なものを選択できる。
 また、ねじ締めや研磨などの実作業をするエンドエフェクターもある。トルクセンサーやロボットと連動して制御できる多機能カメラなどの付属機器も備える。

 そのように豊富な製品を持つが、鈴木孝代表は「わが社は協働ロボット向けのエンドエフェクターだけのメーカーではない」と断言する。

ロボットの稼働監視ソフト「WebLytics(ウェブリティック)」のイメージ動画(提供)

 同社は、協働ロボットを具体的な用途に落とし込む際に、使用する機器とロボットに適したソフトウエアを自社製品で完結できる「アプリケーションのワンストップショップ」を目標に掲げる。その上で、まずはエンドエフェクターが重要と考え、2018年の創業から優先して充実させてきた。

 最近は開発領域を広げており、ロボットやハンドを使いやすくする関連ソフトにも注力する。
 さらに製品以外でも顧客をサポートするため、20年には公式サイトをリニューアルした。自動化したい作業内容や必要な機能、使用するロボットを選択するだけで、最適なハンドやシステム構成を提案するウェブページを無料公開。また、動画などを通じて、ロボットや機器の扱い方を学べる「eラーニングページ」の内容も増やした。

世界初披露も

オンロボットが世界初披露する「Palletizer(パレタイザー)」

 領域を広げた中で迎える今回の国際ロボット展。目玉の一つが、昨年11月に発表した稼働監視ソフト「WebLytics(ウェブリティック)」だ。複数のロボットの稼働をリアルタイムで監視し、収集したデータを分析して可視化する。

 また、世界初披露のパッケージ製品「Palletizer(パレタイザー)」を出展する。物流現場で段ボール箱を荷役台(パレット)に積み下ろしするパレタイジング作業に特化した。必要なハンドや昇降機「Lift(リフト)100」などの機器と制御ソフトを一式にそろえた。

 鈴木代表は「ハンドメーカーとのイメージを覆したい。機器だけでなく、ソフトや公式サイトを使ったサポート面も訴求する」と意気込む。

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