[活躍するロボジョvol.15]アニメ好きが高じて設計の道へ/安川電機 青島知美さん
開発のノウハウを蓄積中
高速、高精度、低コスト――。それらを同時に求められて、「うーん」と頭を抱えることも多い。
安川電機でロボットアームの設計をする青島知美さんに寄せられるニーズの一部だ。「ロボットアームは、高速、高精度、低コストが求められる。難しいけど当然なんですよね」と話す。加えて、安全性を確保するにはエッジは少ない方がよく、食品分野のように水気のある現場では耐水や耐食性が求められる。「人協働ロボットをはじめ、バイオや医療分野で使われるロボットはデザイン性も求められます。必要な構成部品を組み込み、要求仕様を満たしながらデザインを考慮するのはとても大変」と言う。。
青島さんは入社5年目。人協働技術課(当時)を経て、2021年3月にマニプレータ開発課に配属された。「まだ分からないことも多い」と言う。「例えば、要素部品ごとの知識だけではだめ。先輩方は、それらを組み合わせた時にどのような性能や機能を発揮するかを、感覚的に理解しています」と話し、「仕様に応じておよそ必要な部品をぱぱっと連想して書き出せるのは大きい。私も少しずつ分かってきたところです」と力を込める。
ロボットアニメ好きが原点
青島さんがロボットに興味を持ったのは、小学生の時に見たロボットアニメがきっかけ。「高校生の時に起きた東日本大震災で、人命救助に携わるロボットや、被災した原子力発電所を探索するロボットなどを見て、より関心が高まりました」と言う。「設問に対し明確な答えのある理系が肌に合いそう」と自身を分析し、大学では理工学部の電気電子工学科を専攻。ドローンでものを運ぶ時の制御技術を学んだ。
「ロボットといえばホンダのASIMO(アシモ)のような二足歩行ロボットをイメージしていました」と話す青島さんが、産業用ロボットを知ったのは就職活動中のこと。安川電機を志望したのは「トップクラスの技術開発に携われる点と、世界シェアの高い大手メーカーである点が志望の決め手。多くの人に使ってもらい喜んでもらえることは、モチベーションにつながります」と振り返る。