トルク容量の高さと豊富な減速比が特長の「中実タイプ」の減速機を発売/ニッセイ
UXiMOブランドの第三弾
外径73mmの製品では19分の1、29分の1、49分の1、79分の1、99分の1の5タイプの減速比をラインアップしており、79mmと93mmでは119分の1を加えた計6タイプと低減速から高減速まで豊富な減速比を取りそろえる。
また、出力軸と主軸受けを兼用させたアンギュラベアリングを採用したことで部品点数を減らし、薄型化や軽量化を実現した。
また、競合他社の多くが波動歯車機構を使った減速機を販売する中、剛性やトルクを高めるためにUXiMOシリーズには3タイプ共通で偏心揺動型の差動減速機構を採用。偏心揺動型の差動減速機構とは、クランクシャフトからの回転を受けて、遊星ギアが内部のインターナルギアに沿って回転しながら自らも回転し、その動力を出力軸に伝達する機構だ。遊星ギアがインターナルギアと噛み合って回転し、その歯数差によって回転が減速され、トルクが生じる。
減速機事業部開発二部RC開発課の稲垣光明チームリーダーは「減速機業界の中では後発組に当たる。差別化を狙うため、波動歯車機構ではなく差動減速機構を採用し、剛性やトルクの高さを追求した」と話す。
展示会や特設サイトで認知度を向上
UXiMOブランドの開発当初のメインターゲットは産業用ロボットだったが、現在はAGVやAMRメーカーからの引き合いも多く、工作機械メーカーにも導入実績がある。
営業統括営業企画部RC企画課の岡本浩平課長は「もともと、ロボットのさまざまな部位に使えるように、第一弾を開発した当初から第三弾までラインアップを広げることはロードマップとして描いていた。その中でも、今回発売した第三弾はロボットの関節部向けに開発した。産業用ロボット向けでは一部のメーカーとはテストが完了し、自社工場で使用する内製ロボットなどに採用され始めた。また発売当初はAGVの用途を想定していなかったが、現在は一部のメーカー向けに量産も開始している」と手応えを語る。しかし、「後発組のため、競合がひしめき合う減速機の業界で新規ユーザーを獲得するのは、なかなかハードルが高い」とも明かす。