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2024.12.25

イベント

ロボットの技術交流イベントを名古屋で開催/TechShare

中国の協働ロボットメーカーDOBOT(ドゥーボット)などの代理店を務めるTechShare(テックシェア、東京都江東区、重光貴明社長)は12月11日~13日の3日間、名古屋市内でロボットの技術交流イベント「Robot Innovation Week(ロボット・イノベーション・ウィーク)2024」を開催した。会場ではDOBOTの協働ロボットや中国のロボットベンチャーの新製品などを展示した。自動車産業の関係者を中心に3日間で約1000人が来場した。

「模倣学習」のデモを展示

カンファレンスの冒頭であいさつするテックシェアの重光社長

 テックシェアは12月11日~13日にかけて、中国のロボットメーカー4社と共催でロボット・イノベーション・ウィーク2024を開催した。DOBOT、Unitree Robotics(ユニツリー・ロボティクス)、AgileX Robotics(アジャイルエックス・ロボティクス)、YOUIBOT(ユーアイボット)の4社と共に協働ロボットや無人搬送車(AGV)の実機を展示した他、カンファレンス(会議)も同時開催した。
 今回のイベントは2023年に続き2回目の開催となる。テックシェアの重光社長は「前回との違いはヒト型ロボット(ヒューマノイド)などの特徴的なロボットの展示が増えたこと。また、人工知能(AI)を使った『模倣学習』のデモも今回初めて展示した。深刻化する人手不足を背景に、軽作業をロボットで代替する技術が今後ますますトレンドになる」と語る。

遠隔操作できるDOBOTのロボットシステム「X-Trainer」

 デモ展示の中でも注目を集めたのは、DOBOTの協働ロボット「Nova(ノバ)2」を2台組み合わせた双腕型のロボットシステム「X-Trainer(トレーナー)」だ。Xトレーナーは遠隔操作できるロボットシステムで、ロボットアームを模した「マスターハンドコントローラー」を操作すると協働ロボットが同じ動きを再現する。3台のカメラの映像やロボットアームの関節軸の動作データから情報を取得し、AIが人間の手作業を模倣学習する。デモでは学習したデータを基に協働ロボットがタオルを畳む作業を実演した。

ユニツリー・ロボティクスのヒューマノイド「G1」は関節の柔軟さを生かしたデモで関心を集めた

 また、ロボットベンチャーのユニツリー・ロボティクスの2足歩行のヒューマノイドを使ったデモも実施した。現在は研究用での導入にとどまるものの、関節の柔軟な動きを生かしたデモに来場者は関心を寄せた。また、建設現場での導入が見込まれるイヌ型の4足ロボットも披露した。これらのロボットはコントローラーでラジコンのように動かせるが、テックシェアが新たに開発した自律走行制御ユニット「Patrobot(パトロボット)」を搭載すれば自律走行も可能になる。

情報収集や商談の場に

来場者はカンファレンスに熱心に聞き入った

 今回のイベントでは5つのテーマ別にカンファレンスも開いた。ロボットメーカーの担当者による新製品のプレゼンテーションやテックシェアのパートナー企業によるロボットの導入事例などのプログラムが連日催され、来場者は熱心に聞き入った。
 重光社長は「カンファレンスはメーカー各社が自社の製品をPRしたり、ユーザーからフィードバックを受けたりする技術交流の場所になっている。来場者にとっても有益な情報収集や活発な商談の場になれば」と期待を述べた。

(ロボットダイジェスト編集部 平川一理)


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