国際物流総合展にロボット専門メディアが出展/ニュースダイジェスト社
ニュースダイジェスト社(名古屋市千種区、樋口八郎社長)は3月9日~12日、愛知県常滑市のアイチ・スカイ・エキスポ(愛知県国際展示場)で開かれる物流業界最大級の見本市「国際物流総合展2021」に出展する。
生産現場のロボット化と自動化を支援するウェブマガジン
NEW ARTICLE
ニュースダイジェスト社(名古屋市千種区、樋口八郎社長)は3月9日~12日、愛知県常滑市のアイチ・スカイ・エキスポ(愛知県国際展示場)で開かれる物流業界最大級の見本市「国際物流総合展2021」に出展する。
芝浦機械(小間番号=E-303)が物流向けのロボットシステムを開発した。これまでも同社の産業用ロボットが物流用途に使われることはあったが、物流専用にパッケージ化したシステムとして広く提案するのは今回が初めて。段ボール箱を開ける開梱システムと、省スペース・短期据え付け可能な荷役台(パレット)に段ボール箱を積み置き、積み下ろしするシステム3種類をラインアップする。3月9日~12日に愛知県で開かれる「国際物流総合展2021」で初披露し、物流分野の開拓に乗り出す。
ドイツに本拠地を置く真空機器メーカーの日本法人、シュマルツ(横浜市都筑区、ゲッテゲンス・アーネ社長)は2月18日、段取り替え(セッティング変更作業)なしでさまざまな形状の対象物を搬送できる汎用真空グリッパー「FQE」シリーズをラインアップに加えたと発表した。
工場向けの自動化システムなどを製造、販売する村田機械(京都市伏見区、村田大介社長)のL&A事業部は、さまざまな業種の生産工場や物流センターの物流工程を自動化してきた。自動倉庫や無人搬送車(AGV)などの物流機器を製造するが、製品の単体販売よりも自動化システム全体の提案を得意とする。自社で倉庫管理システム(ソフトウエア)を開発するなど、顧客に合わせて最適にカスタマイズした総合的な提案が特徴だ。「自動化レベルの高い要求や、新しく開発する必要のあるシステム構築が得意」とL&A事業部長の石山敏彦常務取締役は自信を見せる。
オークラ輸送機(兵庫県加古川市、大庫良一社長)は、工場や倉庫などで物の運搬や保管を自動化するマテリアルハンドリング(マテハン)機器を扱う国内大手メーカーだ。近年は、パレット(荷役台)へ段ボールなどの荷物を積むパレタイズ作業や荷下ろしのデパレタイズ作業など、作業工程の要所に自社開発の産業用ロボットなどを使ったパッケージシステムの提案を増やしている。「ただ、最も重要なのは工程の間をつなぐ技術。そこがわが社の強みを最大限生かせる」と大庫大輔専務は話す。
物流分野で、産業用ロボットの活躍が最も期待されるのがパレタイズ・デパレタイズだろう。パレット(荷役台)などに荷物を積み下ろしする作業だ。近年多くの企業がパレタイズ・デパレタイズ向けのシステムを開発し、展示会などで盛んに発表する。箱を持ち上げて、別の場所に下ろすだけの作業だが、各社工夫を凝らし独自の付加価値を提案する。
いま、物流現場を大きく変えつつあるのが無人搬送車(AGV)だ。自律走行型搬送ロボット(AMR)とも呼ばれ、多くの企業が新製品を相次いで市場に投入する。新世代の機器として徐々に普及が進む。国内外問わず、ベンチャー企業の参入も盛んだ。後編では、AGV向けの要素技術や、導入を後押し新たなビジネスモデルを取り上げる。
スイスに本社を置くロボット大手のABBは2月24日に開いたオンライン記者発表で新型の協働ロボット2機種を発表した。新機種の名前はGoFa(ゴーファ)とSWIFTI(スイフティ)。同社のロボット事業を統括するサミ・アティヤ社長は「使いやすく設定も簡単。製造業のみならず、あらゆる規模の企業や新しい産業分野でのロボットの初採用にも最適」と自信を見せる。2機種とも同日に販売を開始した。国内では今年前半を目標に準備が整い次第、受注を開始する予定。
いま、物流現場を大きく変えつつあるのが無人搬送車(AGV)だ。これまではあらかじめ床面に敷設した磁気テープの上を走行するタイプが一般的だったが、レーザースキャナーやカメラで周囲をセンシングして自らのいる位置を割り出し、目的地に向かって自律的に走行できるSLAM(スラム)誘導方式の製品を各社が相次いで市場投入している。ベンチャー企業の参入も盛んで、従来の誘導方式ともSLAMとも異なる、新たな誘導方式も複数登場している。
日本物流システム機器協会(JIMH)は、主に物流現場の自動化に貢献するマテリアルハンドリング(マテハン)機器の業界団体だ。物流業界といえば、新型コロナウイルス禍で電子商取引(EC)を中心に荷送り需要が増加するなど、相対的に景気後退の影響は小さいと言われる。しかしJIMHの土田剛会長は、「物流業界の地殻変動が起こりつつある」と危機感を隠さない。同時に、マテハン業界がかつてない注目を集めているとも指摘する。土田会長に現状や技術トレンド、課題、展望などさまざまに話を聞いた。