[ロボットが活躍する現場vol.12]第2工場を本格稼働し、生産能力3割向上/コスメック
工作機械や産業用ロボット関連の機器を開発、製造するコスメック(神戸市西区、白川務社長)は2019年10月に第2工場をしゅん工し、20年3月に本格稼働させた。生産体制の合理化を進め、現在までに部品生産能力は3割向上した。本社工場に集中していた部品加工を分散させ、本社工場は少量多品種、第2工場は量産加工に特化させた。第2工場には本社工場にあった加工設備約40台を移設した。
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工作機械や産業用ロボット関連の機器を開発、製造するコスメック(神戸市西区、白川務社長)は2019年10月に第2工場をしゅん工し、20年3月に本格稼働させた。生産体制の合理化を進め、現在までに部品生産能力は3割向上した。本社工場に集中していた部品加工を分散させ、本社工場は少量多品種、第2工場は量産加工に特化させた。第2工場には本社工場にあった加工設備約40台を移設した。
産業用ロボットを導入した現場をリポートする連載「ロボットが活躍する現場」も11回目を迎えた。今回は石川県かほく市に本社を構える梶製作所(梶政隆社長)を訪ねた。同社は繊維機械を中心とした各種産業用機械の製造と、金属部品の加工を事業の2本柱に掲げる。梶司郎専務は、加工事業の工場を「将来は省人化や省力化のモデル工場にしたい。子供たちにも興味を持ってもらえるような『ワクワクする工場』を目指す」と意気込む。その将来構想への種まきの一環で、ロボットを使った自動化システムを2018年12月に導入した。
マリノプロジェクト(神戸市西区、亀田真嗣社長)は、産業用ロボットでウレタンや発泡スチロール、人工木材のケミカルウッドなどを切削加工し、自動車の車体パーツ、ロケットの模型、機械の試作部品などさまざまなものを製作する。ドイツのロボットメーカー、KUKA(クカ)の可搬質量125kgのロボットに加工ユニットを装着し、1辺が1mを優に超えるワーク(被加工物)も加工できる。「大型ワークを一体で形状加工できる点でこのロボット切削システムは貴重な存在であり、家具や模型メーカーなど新しい顧客、顧客層の開拓にも役立っている」と亀田社長は話す。
日産自動車の横浜工場は、2014年から協働ロボットを使った自動化に取り組む。製造部に新設された「革新製造技術チーム(革新チーム)」が中心となり、これまでに4つの協働ロボットシステムを構築した。前編で解説した第1弾と第2弾に続き、後編では第3弾と第4弾を紹介する。「台車に載せて移動式にしたり、人が近くにいても作業を継続するなど、常に新たなことに挑戦している」と革新チームリーダーの白石京専門工長は言う。
日産自動車の横浜工場は、2014年から協働ロボットを使った自動化に取り組む。製造部に新設された「革新製造技術チーム(革新チーム)」が中心となり、これまでに4つの協働ロボットシステムを構築した。エンジンの組み立て工程の一部を協働ロボットが担う。「狭い空間で人と一緒に働ける協働ロボットは、既存の生産ラインを変えずに製造工程の改善ができる」と革新チームリーダーの白石京専門工長は言う。
産業用ロボットを導入した現場をリポートする連載「ロボットが活躍する現場」。今回は埼玉県入間市にあるテラダイ(寺園智樹社長)を訪ねた。ダイカストと呼ばれる金属の成形加工が得意な同社。2017年、検査工程までを含めた無人化を目指し、自動車部品の生産ラインで新たなロボットシステムを導入した。今のところ、全てが計画通りとはいかないが、「自動車産業の変化に備えて、汎用性の高いシステムを導入した」と将来を見据える。
歯車などを製造する岡本工機(広島県福山市、菊地正人社長)は、製造現場で積極的に産業用ロボットを使う。昨年新たに、安全柵なしで設置できる協働ロボットも導入した。「立ち上げ時には協働ロボットならではの苦労もあったが、設定などを工夫することでうまく使えている」と生産技術課の尾熊英成次長は話す。
岡本工機(広島県福山市、菊地正人社長)は、歯車や受注生産の工作機械を製造するメーカーだ。広島県内に3つの工場を構え、本社工場や尾道工場ではそれぞれ10台ほどの産業用ロボットが稼働し、府中工場にも協働ロボットシステムなどを導入した。「ロボットがあると生産量も品質も安定する。システム構築や動作変更を自分たちでこなせることが重要」と菊地社長は話す。
産業用ロボットを導入した現場をリポートする連載「ロボットが活躍する現場」。今回は相模原市にあるユタカ精工(豊岡淳社長)を訪ねた。同社は2018年、協働ロボットの世界最大手、デンマーク・ユニバーサルロボットの「UR3」を導入し、金属加工機と組み合わせて使用する。産業用ロボットは量産加工の現場に向くと言われる。同社のように多品種少量生産を主体にする中小企業では、導入費用に効果が見合わないことも多く、ハードルが高い。しかし、同社は導入や運用のコストを抑制し、そのハードルを乗り越えた。そのカギは、知恵と工夫と仲間だった。
ホーコス(広島県福山市、菅田雅夫社長)は現在、「ATC自動組み立てプロジェクト」を推進する。ATCとは、工作機械に取り付けて使う刃物(切削工具)を自動交換する自動工具交換装置(オート・ツール・チェンジャー)のこと。現在、このプロジェクトは20代の若手社員が担当している。「重力をうまく使うことで省エネでシンプルなシステムを実現できた」と担当者は語る。