記者もやってみた! 触れた瞬間「ピタッ」と止まるロボット用安全カバー【前編】/三重ロボット外装技術研究所
小指一本でも停止し、痛くない
「私がやっても宣伝っぽいので…」と森社長に勧められ、記者も柔らかロボDを体験した。左の写真のような、赤色の柔らかロボDを装着したURのロボットを使った。
まずは柔らかロボD以外の部分を触った。URのロボットは安全柵なしで人と一緒に働ける協働ロボット。展示会などでの体験を通じ、記者は「触れれば止まる」とのイメージを持っていた。
確かにロボットは止まった。だが…今回のデモで使ったURのロボットは、もちろん感度の設定によるのだろうが、両足を開いてグッと力を入れないとなかなか思うように止まらなかった。
森社長は「協働ロボットはセンサーの感度を高めることで安全性を担保している。だが、感度を高め過ぎると、重い物をつかんでアームを振り回したときなどに途中で停止する恐れもある。生産性と安全はトレードオフで、センサーの感度を鈍くすれば協働ロボットはちゃんと仕事をするが、人に当たっても止まりにくい」と説明する。
ゆっくり接触しても検知できる(同社提供)
次に、先ほどの左上の写真の赤色の部分、つまり柔らかロボDに触れた。驚くことに、記者が「触った」と感じた時にはもうURロボットは停止していた。
小指一本でもチャレンジした。「突き指をするのでは」との恐れが一瞬頭をよぎったが、小指一本でも触れた瞬間にロボットは停止した。しかも、全く痛くなかった。
ロボットを使う時には、アームとアームの間に指や手を挟んでケガをする「挟み込み」が懸念される。だが、森社長は「柔らかロボDなら触れた瞬間にすぐに止まるので、挟み込みの心配もない」と述べる。