IoTとAI、ロボットは融合する/クラウドサービス推進機構ほか
データを経営に生かすにはAIとロボットも必要
クラウドサービス推進機構はこれまで、IoTの勉強会「モノづくりクラウド研究会」を5年にわたり開いてきた。IoTシステムで得られたデータを経営に生かすには、人工知能(AI)とロボットも不可欠との考えから、次のステップとしてSIer協会と共同で「新時代のものづくり研究会」を立ち上げた。
3月14日には「IoT、AI、ロボットの融合を目指して」をテーマに第1回研究会を開催。製造業の関係者ら80人が集まった。
冒頭にあいさつに立ったSIer協会の久保田会長は、「昨年144社で発足した当協会は現在会員数が197社まで伸び、間もなく200社を超える見込み」とロボットのシステムインテグレーター(SIer、エスアイアー)への注目度の高さを紹介するとともに「本日はスマートなものづくり、スマート工場、製造現場のセキュリティーなどに関する講演を予定している」と当日の流れを説明した。
中小企業は簡単なシステムから
続いてクラウドサービス推進機構の松島理事長が「IoTはAIとロボットを目指す」をテーマに基調講演した。中小企業のIoTシステム普及の現状や成功事例を紹介。スマートフォンをプレス機に貼り付けるだけで稼働データの収集ができる武州工業(東京都青梅市、林英夫社長)のアプリ「生産性見え太君」などを引き合いに出し、「中小企業はステップ・バイ・ステップでまずは簡単なIoTシステムから導入すればいい」との考えを述べた。「稼働率や原価が分かれば注文ごとの利益を『見える化』でき、もうからない顧客が分かる。人手不足なのだから利益の出ない仕事を無理に受ける必要はない。利益を見ながらこれからは中小企業が発注者を選ぶ時代」と持論を語った。
また、焼き鳥の串打ち工程をロボットで自動化した事例などを紹介し、「人手不足を人で補ってはいけない。ロボットやAIでできる仕事はそちらに任せ、一人当たりの売上高や利益を高めるべき」と提案した。