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2019.03.18

イベント

IoTとAI、ロボットは融合する/クラウドサービス推進機構ほか

クラウドサービス推進機構(松島桂樹理事長)と、FA・ロボットシステムインテグレータ協会(SIer協会、会長・久保田和雄三明機工社長)は3月14日、東京都港区の機械振興会館ホールで「第1回新時代のものづくり研究会」を共同開催した。モノのインターネット(IoT)やロボットなどの各分野の専門家が登壇し、最新動向などを紹介した。

データを経営に生かすにはAIとロボットも必要

「会員は間もなく200社」と話すSIer協会の久保田会長

 クラウドサービス推進機構はこれまで、IoTの勉強会「モノづくりクラウド研究会」を5年にわたり開いてきた。IoTシステムで得られたデータを経営に生かすには、人工知能(AI)とロボットも不可欠との考えから、次のステップとしてSIer協会と共同で「新時代のものづくり研究会」を立ち上げた。 
 3月14日には「IoT、AI、ロボットの融合を目指して」をテーマに第1回研究会を開催。製造業の関係者ら80人が集まった。

 冒頭にあいさつに立ったSIer協会の久保田会長は、「昨年144社で発足した当協会は現在会員数が197社まで伸び、間もなく200社を超える見込み」とロボットのシステムインテグレーター(SIer、エスアイアー)への注目度の高さを紹介するとともに「本日はスマートなものづくり、スマート工場、製造現場のセキュリティーなどに関する講演を予定している」と当日の流れを説明した。

中小企業は簡単なシステムから

クラウドサービス推進機構の松島理事長が基調講演

 続いてクラウドサービス推進機構の松島理事長が「IoTはAIとロボットを目指す」をテーマに基調講演した。中小企業のIoTシステム普及の現状や成功事例を紹介。スマートフォンをプレス機に貼り付けるだけで稼働データの収集ができる武州工業(東京都青梅市、林英夫社長)のアプリ「生産性見え太君」などを引き合いに出し、「中小企業はステップ・バイ・ステップでまずは簡単なIoTシステムから導入すればいい」との考えを述べた。「稼働率や原価が分かれば注文ごとの利益を『見える化』でき、もうからない顧客が分かる。人手不足なのだから利益の出ない仕事を無理に受ける必要はない。利益を見ながらこれからは中小企業が発注者を選ぶ時代」と持論を語った。
 また、焼き鳥の串打ち工程をロボットで自動化した事例などを紹介し、「人手不足を人で補ってはいけない。ロボットやAIでできる仕事はそちらに任せ、一人当たりの売上高や利益を高めるべき」と提案した。

ロボット導入が進むほど人の技術が問われる

「ロボット導入の本質は人材育成」とリンクウィズの吹野社長

 基調講演の後の技術講演では、SIer協会のIoT・AI分科会主査も務めるリンクウィズ(浜松市中区)の吹野豪社長が「AI・IoT時代を見据えたスマートファクトリー実現への第一歩」をテーマに話した。
 ロボットの動作プログラムを作成するティーチングエンジニアが不足していることや、「インダストリー4.0」の本場であるドイツでも現場レベルではまだまだIoTシステムの導入が進んでいないことを紹介。
 「機械や設備は海外でも同じものが買えてしまう。付加価値を高めるにはロボットに自社の強みを組み込むことが重要で、ロボットの導入が進むほど人の技術力が求められる。ロボット導入の本質は人材育成」と述べた。

 2本目の技術講演では、ネットワークのセキュリティー対策が専門のJPCERT コーディネーションセンター(東京都中央区、菊池浩明代表理事)の河野一之氏が登壇。工場にIoTシステムを導入する際のセキュリティー対策の基礎をまとめた小冊子「工場における産業用IoT導入のためのファーストステップ」の概要などを説明した。

 技術講演の後はi Smart Technologies(アイ・スマート・テクノロジーズ、愛知県碧南市、木村哲也社長)やソフィックス(横浜市港北区、西山清隆社長)が自社のサービスや製品を紹介し、来場者の注目を集めた。

――終わり


(ロボットダイジェスト編集デスク 曽根勇也)


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