[注目製品PickUp!vol.12]2m四方のサイズも‼ カスタマイズ自在な真空グリッパー【後編】/シュマルツ「SPZ/SSP」
SIerの負担を減らしたい
SPZとSSPは、自在にカスタマイズできることが特徴の真空グリッパーだ。こうした製品は真空グリッパー業界初(同社調べ)という。
一見、手離れが悪くメーカーの負担が増えそうな製品の発売に踏み切ったのはなぜか。ゲッテゲンス社長は「一番はシステムインテグレーター(SIer、エスアイアー)の負担を減らしたかった」と意図を話す。
現在、自動化や省人化のニーズが高いが、システム構築を担うSIerは不足している。しかも、SIerは顧客ごとに仕様の異なるシステムを構築する一品一様のビジネスモデルで、開発や設計に時間は掛かるが一般に収益性は決して高くはない。
シュマルツは8000点以上の製品や部品を持つ。もし仮にSIerが真空グリッパーを使う判断をしても、用途に合わせた適切な製品を8000点の中から選んでシステムを構築するのは難しく、手間が掛かる。極論を言えば、それが原因で敬遠されてしまう。
テストルームに大型ロボも設置
テストルームでは、真空グリッパーの導入前に顧客立ち合いのもと、実際の対象物を使った動作確認ができる。「設置現場に近い状況を再現し、顧客に見てもらうことで導入前の不安を軽減する。テスト時に万が一不具合があっても即座に対応し、初期不良を減らしたい」(ゲッテゲンス社長)。
そのおかげもあり、昨年の発売以来、SPZとSSPの吸着ミスなどのクレームは1件もないという。