[SIerを訪ねてvol.23]機械の知見が強み/三宝精機工業
中心の3人
三宝精機工業のSIerとしての特徴は、ワンストップで対応できること。自社工場があり、ロボットシステムの立ち上げや最終チェックなどを自社で済ませられるため、顧客の現場で行う場合に比べて生産停止の期間を格段に短くできる。
工作物(ワーク)搬送や部品組み付けなど、金属加工業向けの案件が中心であり、工作機械により近い存在としてのロボットシステムが中心だ。そして本業であるオーバーホール(精度復元や修理)やレトロフィット(コンピューターによる数値制御化など、旧式の機械の改造)の知見を最も生かせるフィールドでもある。
「わが社も会員であるFA・ロボットシステムインテグレータ協会(SIer協会)の設立や、ロボット需要の増加に伴い、SIerへの認知度も上がってきた」と金子一彦社長は語る。しかし、顧客にとりSIer各社の差が分かりづらいのは実状。「エンドエフェクター(アーム先端に取り付けるロボットハンドなどの機器)など周辺装置の製造といった特色を打ち出すケースはあるが、本当に違いが出るのは教示(ティーチング)であり、それこそが命を吹き込む作業。だが、これの価値が顧客には伝わりづらいかもしれない」と金子社長はみる。
SIer事業は主に技術部が担当し、14人いるほとんどが工作機械の事業と兼務する。なかでも営業部営業開発課の大和田博之課長(=写真中央)、技術部ロボット技術課の瀬戸幸治課長(=同左)、技術部機械技術課の西井大輔課長(=同右)の3人を中心とし、社内の各部署が連携して案件に取り組む。