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2019.11.11

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[海外展リポート]ロボットに何をさせる? 欧州の工作機械見本市での提案【後編】/EMOハノーバー2019

9月16日~21日の6日間、ドイツ・ニーダザクセン州のハノーバー国際見本市会場で開かれた欧州国際工作機械見本市「EMO(エモ)ハノーバー2019」。欧州では人手不足が深刻化しており、自動化や省人化の提案が目立った。後編ではロボット以外の自動化や工作機械の被加工物の交換以外の提案をまとめた。

自動化はロボットだけではない

斗山工作機械、欧州法人のヘンリー・キム社長と複合加工機「DVF8000T」

 工作機械の機能を増やして加工工程を集約する提案や、ロボット以外の付帯設備で長時間の自動運転を提案するメーカーもあった。
 韓国の斗山工作機械は、「DVF8000T」など1台で複数の加工ができる複合加工機を多数展示し、工程集約を提案した。欧州法人のヘンリー・キム社長は、「欧州の自動化需要は強い」と断言する。
 「先日オランダの顧客から『60時間連続運転するシステムを入れたい』と相談された。つまり、金曜日の夜から月曜日の朝まで無人で機械を動かしたいとの意味」と事例を挙げる。

 欧州では、被加工物だけ単体で付け替えるのではなく、それを乗せた台(パレット)ごと交換する「オート・パレット・チェンジャー(APC)」の使用も盛んだ。
 ドイツの工作機械メーカーのグローブは、全長30mほどでパレットを約50枚収納できるAPCと3台の工作機械を組み合わせたシステムを展示した。組み換え可能な「基本モジュール」の組み合わせ次第では最大5台の工作機械を接続できるなど、柔軟なシステム構成ができる点をアピールした。

 日本メーカーでは安田工業(岡山県里庄町、安田拓人社長)や松浦機械製作所(福井市、松浦勝俊)などが工作機械とパレットチェンジャーをセットで提案した。両社とも「欧州では自動化設備が必須。パッケージ化しやすい分、ロボットよりも手軽に導入できるため、APCが使われやすい」と声をそろえる。

 またAPCと異なるパレット交換を提案するメーカーもあった。DMG森精機は大型のパレットを運べるフォークリフト型の無人搬送車(AGV)を披露。このAGVがあれば、理屈の上では何枚でも無制限にパレット交換ができる。

  • グローブは巨大なAPCと工作機械「G550シリーズ」3台を組み合わせて展示

  • 安田工業はAPCが標準仕様で付く工作機械「PX30i」をアピールした

  • 松浦機械製作所の欧州での売れ筋「MX-850」のAPC仕様

  • 大型のパレットを運ぶフォークリフト型のAGV(DMG森精機)

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