[特別企画 新ロボット展 in 2020年愛知vol.7]立ち上げまでの負担軽く/FUJI
専門知識が要らない簡単設定
電子部品を基板に装着する実装機の製造で高いシェアを持つFUJIは、5軸の多関節ロボット「SmartWing(スマートウィング)」を披露する。最大可搬質量は2kgで、小物部品の搬送や仕分けに力を発揮する。
「操作設定のしやすさ、導入のしやすさが最大の特徴」と藤田政利技術部長。「自動化システムを立ち上げるSIerへの負担を減らすことができる」と強調する。
一般的なロボットはティーチングペンダントで細かな動きまで覚えさせる。しかしその場合、扱う製品や作業の変更ごとに専門的な知識が必要だ。一方、スマートウィングは、アームの可動領域内の座標値を設定し、基本的な作業内容を選択するだけで、動きを変更できる。
サブスクで購入からシミュソフトまで
ロボット開発の他に、新たに力を入れるのが、製品選定とシミュレーションを1つのシステム内でできるようにした「e-Sys(イーシス)」だ。仮想空間上で構築する「デジタルツイン」とロボットや機器を選定できる「マーケット」の2つを合わせた基盤(プラットフォーム)で、SIerがより簡単に自動化システムを立ち上げられる環境を用意する。
イーシスを使えば、シミュレーションソフトウエアを購入することなく3次元モデルを作成、ロボットと周辺機器の連動した動きを確認できる。現在は、システムに製品を掲載する協力企業を増やすことに注力し、4月から試験的にスタート。定額制(サブスクリプション)でサービスを提供する予定だ。RTJでも、イーシスで構築したロボットシステムを展示し、シミュレーションと装置が同じ動きをする姿を見せる。
RTJにはSIer専用の出展ゾーンがあり、その他にも多くのSIerの来場が見込まれる。それだけに、SIerを意識した提案は注目を集めそうだ。
(ロボットダイジェスト編集部 渡部隆寛)
※この記事の再編集版はロボットテクノロジージャパンの公式サイトや、「月刊生産財マーケティング」4月号でもお読みいただけます。