中小企業のロボット導入のポイントをセミナーで/FA・ロボットシステムインテグレータ協会
ロボットは多品種少量生産に対応するための装置
2社の中小企業が講演
その後、中小企業のKPファクトリー(兵庫県三木市)の吉崎真一社長と、山田製作所(愛知県あま市、山田英登社長)の山田剛士常務がそれぞれ登壇し、自社のロボット導入の経緯や成果などを発表した。
KPファクトリーはロボットで鉄道車両部品の溶接作業を自動化した事例を紹介。溶接ロボットシステムの初号機を導入した2017年からの3年間で取り組んだことなどを説明した。
初めは稼働率を気にせず、ロボットの担当者に任命した若手社員にティーチング(ロボットに動作を覚えさせること)を繰り返し練習させたという。2年目から手作業で溶接していた部品をの製造を少しずつロボットに置き換え、3年目にはロボットがする作業と職人の作業を明確に分担し、ロボットが担う作業量を増やして稼働率を高めた。
一方、山田製作所は高精度な研削加工を得意とする部品加工会社で、2台のロボットシステムを運用している。工作機械に加工対象物を脱着する工程を自動化した。
山田常務はロボット導入のきっかけになった、10年前から取り組む「作業の標準化」についても詳しく解説した。研削加工を標準化し、標準化できたからこそロボットに任せることが可能になったと言う。「これまでは作業者のスキルやコンディションに依存していたが、ロボットを入れたことで研削加工の属人化を解消できた」と説明する。