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2020.12.15

スマホゲーム感覚で学ぶ、「今どき」の教育ツール/ニュートラル

製造業向けの業務システムなどを開発するニュートラル(名古屋市中区、小屋晋吾社長)は今年の11月から、「ロボットオペレーションラーニング」の提供を始めた。ロボットの操作方法をパソコン(PC)上で学習できるソフトウエアで、まるでスマートフォンのゲームのような感覚で基本的な操作方法を一から学べる。スマホ世代の若い新人にも扱いやすい、まさに「今どき」の教育ツールと言える。同社は顧客のロボットの運用状況などをヒアリングした上で、ニーズに合わせてカスタマイズして提供する考えだ。

ロボット操作の教育に焦点

「わが社の製品はロボットの操作方法の教育に焦点を当てている」と話す小屋晋吾社長

 ニュートラルが11月に発売した「ロボットオペレーションラーニング」は、ロボットの基本的な操作方法をPC上で学習できるソフトだ。

 ロボットを導入した企業はこれまで、ロボットメーカーの教育スクールを受講したり、分厚いマニュアルを見ながら実機や実習用の装置を操作したりして、ロボットの操作方法を学習していた。だが、実機や実習用の装置を使う場合、操作に不慣れな新人が誤って高価なロボットを壊すリスクがあった。
 また、「壊してしまうのでは」との恐れから、実機に触れることに抵抗感を持つ新人も多いという。

ロボットオペレーションラーニングのトップ画面

 こうした課題を解決するのがロボットオペレーションラーニングだ。
 ロボットの3次元(D)モデルやティーチングペンダント(ロボットに動作を覚えさせる専用機器)の操作画面をPCのバーチャル空間上に再現し、そこで自由にロボットを動かせる。
 ロボットのシミュレーションソフトのようにも見えるが、小屋社長は「わが社の製品はロボットの操作方法の教育に焦点を当てている」と違いを説明する。

 新人に基本的な操作手順を一通り学ばせた上で現場に投入することで、実機の破損リスクを低減できる。新人側も、まるでスマホゲームのような感覚でロボットの操作方法を事前に学習でき、安心して実機操作に臨める。
 
 スマホ世代の若い新人にも扱いやすい、まさに「今どき」の教育ツールと言える。

チュートリアルからテストへ

 ロボットオペレーションラーニングには①チュートリアルモード②テストモード③シミュレーター、この3つの機能がある。

 ①のチュートリアルモードでは「電源を入れる」「〇軸目を指定の位置まで動かす」など、ロボットの基本的な操作の手順を分かりやすく解説している。学習者は説明文を見ながら、実際にPC上でペンダントを操作し、やり方を一から覚える。作業が完了したら、作業一覧画面にチェックマークが付く仕組みだ。
 ロボットオペレーションラーニングは複数の学習者が使えるが、指導者はこのチェックマークの数を確認すれば学習者の進ちょく状況を一目で把握できる。

  • チュートリアルモードの画面

  • 操作方法を分かりやすく解説

 ②のテストモードは、チュートリアルモードで学習した基本的な操作が正しくできているかを確認する機能。「電源をつけて消す」「〇軸目を指定した角度まで回転させる」などのテストに対し、制限時間内に正しい作業手順で実行できれば「合格」だ。

 テストの結果には学習者がどういう手順でロボットを操作したかが表示される。一つ一つの操作の正否だけではなく、手順通りに操作ができているかどうかも確認できる。
 手順通りでなければ、最終的なロボットの状態が正しくても「不合格」にするよう設定できる。こうした制約をあえて設けることで、ロボットの操作方法だけではなく各社独自のロボットの運用ルールも学習できる。

 ③のシミュレーターは、ロボットの3Dモデルを自由自在に動かせる機能だ。ロボットを新規で導入する際、設置場所の周辺にある障害物にロボットがぶつからないかなどを事前に、そして簡易的に確認するのに使われる。

  • テストモードの画面

  • テスト結果の表示画面

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