[国際ロボット展 特別リポートvol.8]物流業務向けに注力/川崎重工業
自走ロボットでコンテナの荷降ろし
物流業界では現在、急速に作業の自動化が進む。自動倉庫などは以前から使われてきたが、自動倉庫の前後の工程、「荷降ろし」や「ピッキング」、荷役台のパレットに並べて積み上げる「パレタイズ」などの工程は、依然として人手が担うことが多い。川崎重工はここに目を付けた。
3月1日に発売されたばかりの、人の代わりに荷降ろしする物流分野向けロボット「Vambo(バンボ)」で、コンテナに見立てた荷室から、重量物の段ボールケースの荷降ろしや積み込み作業の自動化を披露した。バンボでは3次元の人工知能(AI)ビジョンシステムと専用ハンドを駆使し、1時間に最大600個の荷降ろしを可能にした。
バンボは川崎重工の中型汎用ロボット「RS080N」に無人搬送車(AGV)を組み合わせたパッケージ商品で、最大30kgの段ボールケースを搬送できる。AGVとの一体型で自走が可能で、コンテナの奥深くまで進める。設置工事が要らず、既設の物流センターでの導入が可能だ。
3次元ビジョンシステム「K-VStereo(ブイステレオ)」にAI機能を加え、ケースの大きさや位置ずれ、傾きなどを自動認識する。大小さまざまな大きさの段ボールケースが混在する場合でも荷降ろし、積み込みができる。段ボールケースの寸法は横250~650mm、奥行き280~600mm、高さ130~550mmまで対応が可能だ。
これまではコンテナ内部に人が入り、ベルトコンベヤーに荷物を載せてコンテナ外に運び出していた。
段ボール箱の組み立てや梱包も
(ロボットダイジェスト編集部 長谷川 仁)
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