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2021.06.21

ロボットから製造ソリューションへ、エプソンの新方針は「ものづくりの革新」/セイコーエプソン

セイコーエプソンは6月10日、報道関係者やアナリスト、機関投資家向けに「マニュファクチャリングソリューションズ事業戦略説明会」をオンラインで開催した。ロボットを販売するだけでなく、今後は工場内の顧客のニーズや期待を起点に、顧客のものづくりを革新するソリューションを提供する方針に大きく転換するという。

顧客のニーズや期待を起点に

組み立て工程に加え、部品生産や検査にもソリューションの幅を広げる

 説明会では、内藤恵二郎執行役員マニュファクチャリングソリューションズ(MS)事業部長らが登壇し、事業概要や今後の戦略などを説明した。

 MS事業部は、小型ロボットや小型射出成形機などをはじめとした各種生産システムの開発や製作を手掛ける。2021年3月に発表した長期ビジョン「Epson(エプソン)25 Renewed(リニュード)」に基づき、グループ傘下のエプソンテックフオルム(東京都品川区、金井保人社長)の小型射出成形機の関連事業を組み込み、事業部名を「ロボティクスソリューションズ」から「マニュファクチャリングソリューションズ」に改称した。

 同社は組み立て工程で使われる小型ロボットを得意とするが、今後は組み立てだけではなく部品生産や検査の工程にもソリューションの幅を広げる考えだ。従来はロボット製品を販売するのが中心だったが、これからは工場内の顧客のニーズや期待を起点に、顧客のものづくりを革新するソリューションを提供する方針に大きく転換するという。

 説明会では、MS事業部の直近の施策も2つ紹介した。
 一つは、モーターやコントローラーなどのコア部品を共通化する「次世代プラットフォーム」の開発。共通部品を増やすことでロボット製品のラインアップの拡充を容易にし、多様化する顧客のニーズにより迅速に対応する狙いだ。
 「当面は次世代プラットフォームの開発に集中的に投資し、新製品を23年以降順次発売する」と内藤執行役員は語る。

 もう一つは、デジタル技術を活用して事業を変革する「デジタル・トランスフォーメーション(DX)」基盤の強化。設計や開発、生産技術、販売、サービスなどの社内の各種データを一元化し、技術ノウハウや営業情報を各部署で共有することで提案力を高める。また、顧客工場での機器の稼働状況も可視化して保守サービスに生かす。

  • コア部品を共通化した次世代プラットフォームの開発に取り組む

  • DX基盤を強化し提案力を高める

新コンセプトの商品群を展示

「2022国際ロボット展」に出展する予定の商品群

 内藤執行役員は「MS事業部では20年度から25年度まで、年平均成長率15%以上の売上高の増加を目標に掲げている。従来得意としていた組み立てに加え、部品生産や検査の工程、さらには構想設計・導入サポート関連の売上高も拡大したい」と意気込む。

 最後に、22年3月に東京都内で開催される「2022国際ロボット展」にも触れ、「MS事業部の成長ストーリーに沿った新しいコンセプトの商品群を展示する」と説明した。

(ロボットダイジェスト編集部 桑崎厚史)

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