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2022.06.24

[特集 ロボットテクノロジージャパンvol.5]協業の結晶をリアルでPR/スターテクノ

システムインテグレーター(SIer、エスアイアー)のスターテクノ(愛知県岩倉市、塩谷陽一社長、B-43)は、グループ企業や多様な分野の企業の技術を取り入れた製品をRTJ2022で展示する。瀬川裕史常務は「グループ企業の力を合わせた総力戦でPRする」と力を込める。産業の集積地である愛知の展示会にSIerが出展する意義として、「新規開拓とSIerという業種そのものの認知度の向上」を掲げる。中部地域SIer連携会の会長の立場から感じたSIerの課題も交えて話を聞いた。

グループ企業の力を合わせて

「周りでもRTJ2022の話題がよく出てくる」と瀬川裕史常務は期待感を持つ

 スターテクノは、自動車業界向けのロボットシステムに強みを持つSIerだ。RTJ2022では、同社のグループ企業の技術を使った製品を展示する。

 走行軸「トラックモーション」は、グループ企業のスター精機(愛知県大口町、塩谷陽一社長)の取り出しロボットの仕組みを活用して生まれた。同社の技術を使うことで開発費用を抑え、コストパフォーマンスを高めた。ロボットのケーブルが傷つくのを防ぐケーブルガイドには、グループ企業で樹脂部品メーカーの国盛化学(愛知県小牧市、塩谷陽一社長)の技術が盛り込まれている。トラックモーションがあれば、工作機械1台ごとにローディング用のロボットを用意する必要がなく、導入費用を大きく抑えられる。「RTJ2022では、ファナック製の産業用ロボットを載せたデモを展示する。ロボットメーカーのコントローラーをそのまま使えるため、操作感が変わらない」と瀬川常務は話す。

 スター精機製の積み付けロボットシステム「ロボットパレタイザー PXシリーズ」も展示する。箱の積み付けパターンを自動で演算する機能でティーチング(教示)がしやすくなり、プログラムのバグを処理する工程を削減できる。スターテクノがインテグレーションを担当することで、無人搬送車や自律搬送車との連携など、ロボットの使用方法に広がりが生まれる。
 瀬川常務は「RTJ2022で、SIerとして培った技術とグループ企業の力を合わせた製品をリアルに展示し、PRしたい」と意気込む。

多様な企業とコラボ

ビジョンフィーダーは、NTNのパーツフィーダー「TORINITTE(トリニッテ)」が組み込まれている

 グループ企業の技術を生かした製品の他に、多様な企業と共同開発した製品も展示する。「ビジョンフィーダー」は汎用性を高めたパーツフィーダー(部品供給装置)だ。NTNと共同開発し、複数種類のワークに対応できるのが特徴だ。従来はあらかじめ設定した1種類のワークにしか対応できない課題があった。しかし、2Dビジョンセンサーでワークの中心部の形状を特定するだけでピッキングできる。瀬川常務は「複数のワークに対応できるだけでなく、ワークにバリが残っている場合でもピッキングできるため、チョコ停を防いで作業効率の向上に貢献する」と話す。
 
 シーリング装置「ガスケットシーリングロボットシステム」も出展する。塗布機器メーカーの米ノードソンコーポレーションの日本法人、ノードソン(東京都品川区、内田勝社長)と共同開発した。同システムは、6軸垂直多関節ロボットとシール材を溶融させたホットメルトの吐出装置を組み合わせたものだ。ガスケットをシーリングで貼り付ける新たな工法で自動化する。自動車部品に使うガスケットは人の手で貼り付けることが多く、自動化したいとの需要を受けて同製品は生まれた。貼り付けたホットメルトの表面に剝離剤を塗布して粘着力を弱める機能もあり、自動化に加え後工程での取り扱いを容易にした。瀬川常務は「剝離剤は化学メーカーに依頼し開発した」と言う。

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