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2024.10.03

イベント

[国際物流総合展2024 vol.3]圧倒的な物量には自動倉庫を/AutoStore System、EXOTEC、ギークプラス、ラピュタロボティクス、ROMS、椿本チエイン、THK

9月10日~13日、東京都江東区の東京ビッグサイトでアジア最大級の物流総合展「国際物流総合展2024」が開催された。出展者数と来場者数は共に過去最多を記録するなど、会場は活気にあふれた。国内の物流現場は電子商取引(EC)サイトなどを通じた通信販売の興隆で扱う物量が増えているのに対して、慢性的な人手不足の状態だ。そこで、多くの荷物を扱える自動倉庫システムや仕分け作業用のソーターを提案する企業も目立った。

環境性能や処理速度をアピール

AutoStore Systemの安高真之社長

 ノルウェーに本社を置くAutoStore(オートストア)の日本法人、AutoStore System(オートストアシステム、東京都港区、安高真之社長)は、ロボット自動倉庫システム「AutoStore(オートストア)」を展示した。保管効率の高さが特徴のシステムだが、近年は環境性能の面でも注目を集めるという。

 安高社長は「オートストアの稼働にはほぼ電力を必要とせず、消費電力は電子レンジ1~2台ほどのイメージ」と話す。
 急速充電が可能なバッテリーを搭載したピッキングロボットの開発や、入出庫用ポートの作業性の向上などにより、入出庫の処理速度をさらに高めた。また、冷凍・冷蔵環境でも運用できる新たなシステムなど、今後の開発方針についても会場で発表した。

作業体験で使いやすさを実感

EXOTEC NIHONの7mの棚は来場者の目を引いた

 フランスの物流ロボットベンチャー企業EXOTEC(エグゾテック)の日本法人、EXOTEC NIHON(エグゾテックニホン、東京都港区、立脇竜社長)は、ロボット自動倉庫「Skypod(スカイポッド)システム」を提案した。
 保管棚(ラック)は最大12mまで高くできる。会場には7m仕様のラックを持ち込んだ。「会場で最も背の高いラックで目立つため、興味を持った来場者が多い」と担当者は話す。

 作業者などが物品を出し入れするピッキングステーションを用意。多くの来場者がピッキング作業を実際に体験していた。また、臨場感のある映像で稼働現場を疑似体験できるコーナーも設け、使い勝手の良さを訴求した。

保管効率と作業効率を両立

ギークプラスのブース。手前がフォーウエイ・シャトル・ソリューション

 中国の物流ロボットメーカー、ギークプラス(日本法人=東京都渋谷区、加藤大和社長)は、棚を搬送するAGVとピッキングステーションを組み合わせた保管システム「PopPick(ポップピック)」で多くの実績を持つ。

 今回展では、複数層のラックで構成する「Four-way Shuttle Solution(フォーウエイ・シャトル・ソリューション)」を日本初披露した。
 固定式のラックの1階層部分ではAVGを使い、倉庫などの床面を走らせる。よく入出庫のある物品を1階層部分で扱うことで、ピッキング効率を高める。2階層以上ではラックの支柱などに巡らせたレール上を走るシャトル式の有軌道無人走行車(RGV)と昇降装置を使う。倉庫内の上部空間を使えるため、保管効率が高い。
 階層ごとに異なる無人搬送車を使い分けることで、高い作業効率と保管効率を両立させた。

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